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丹羽宇一郎氏を次期駐中国大使に起用する狙いは?
2010年 6月 9日16:31 / 提供:
『小泉政権後の中日関係の展望』国際シンポジウムに参加する早稲田大学の林華生教授=2006年、上海で

 日本の菅直人首相は昨今、伊藤忠商事の丹羽宇一郎(71)顧問が日本の中国駐在大使に任命することを内定した。これ以前、日本の重要な国に駐在する大使はすべて外務省の人間で、民間人を起用することは確かにめったになかった。

 人事調整において、菅首相は就任後、鳩山政権が打ち出した東アジア共同体構想を引き継ぎ、組閣メンバーが最終決定する前に、中国のビジネスを熟知した丹羽氏を次期駐中国大使に起用する方針を固めた。丹羽氏は対中輸出を得意とし、食糧や繊維分野などの中国企業と提携したこともある。

 中国のアナリストは、菅首相はずっと民間の人が海外駐在大使となることを主張しており、すでに、日米同盟を基本として、中日関係を重視する外交方針を発表している。上述の人事決定はこの道筋を反映したものと見ている。

 早稲田大学の林華生教授は、「菅首相が丹羽氏を次期駐中国大使に起用するのは、今現在、日本の経済成長を実現するには、中国市場を更なる開拓させねばならないし、中日経済協力がもっとも肝要な時期であるからだ」と分析している。 

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丹羽宇一郎氏の著作

 丹羽宇一郎氏は長期間の海外駐在経験があり、中国などの国の状況に対しても明るい。氏は愛知県の出身で、名古屋大学法学部卒業後に伊藤忠商事に入り、1998年には社長、2004年には会長となり、2010年に顧問となった。

(編集:章坤良 写真も) 

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