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プーチン氏は金正恩氏の訪問を受け入れるか、中韓日への配慮の必要も
2014年 11月 21日16:58 / 提供:新華経済



 19日に放送された香港フェニックステレビの報道番組「総編集時間」に出演したコメンテーターの呂寧思氏が、北朝鮮の最高指導者、金正恩第1書記の特使として崔竜海·朝鮮労働党書記がロシアを訪問し、プーチン大統領と私的な会談を行ったと語った。

 呂氏は今回の訪問について、「ロシアと北朝鮮の関係が突然、熱を帯びてきたことを表している。北朝鮮側は東アジアでかなり孤立しており、中国と韓国が親密さを増しているという焦りがある。中国に冷たくされて、寂しさも募らせている。親子2代にわたって近隣諸国や米国にこざかしい真似を繰り返しており、信用度はかなり低い。そんな中、絶妙のタイミングでプーチン大統領がアジア回帰戦略を打ち出した」と分析。

 一方のプーチン大統領も、ウクライナ問題で西側と対立。経済面では中国、日本、韓国と協力して利益を得ることができるが、原油価格の下落はロシアの主導的立場を危うくしている。北朝鮮問題で少しでも影響力を発揮することができれば、北朝鮮を利用して中国、米国、日本、韓国を牽制し、東アジアないしはアジア太平洋の安全保障問題において重要な役割を担うことが可能だ。そうなれば、高額の経済的代償も惜しくはない。北朝鮮外務省の幹部はロシア社会科学院で開かれた円卓会議で、「北朝鮮とロシアの関係は新たな段階に入った」と述べたという。

 北朝鮮側は金正恩氏の訪ロも視野に入れているが、ロシア側はそれに伴う政治的な代償を考慮する必要がある。プーチン氏は西側世界のことは気にしないが、中国や韓国、日本がそれをどう受け止めるかは考慮せざるを得ない。だが、ロシア外務省は崔氏のロシア滞在中、双方は政治対話レベルの向上について検討したと明かしており、これは両国の首脳会談開催の可能性を探ったとみることもできる。