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中国の外交、 西進 という選択肢
2014年 9月 14日10:33 / 提供:チャイナネット

  中国政府は近年、新たな中身を持つ「新シルクロード」の理念を提唱している。これは中国の外交の西進戦略という理論の根幹を成している。

  100年以上前、清朝末期の中国は海と国境地帯の防衛という、2つの苦しい選択に直面した。この李鴻章と左宗棠の外交 防衛戦略の議論は、最終的に苦々しい結果をもたらした。「東進」は甲午戦争(日本名 日清戦争)の敗北と義和団の乱によって一瞬にして立ち消え、「西進」は新疆を取り戻し、イリの守りを固めたが、予想通りの理想的な効果を得られなかった。

  100年以上が過ぎた今日の中国は、「東か西か」という外交戦略の岐路に立たされている。東は大洋に面した、中国で最も発展し富の集まる地域で、最も重要な貿易 輸送ルートだ。西は、「新シルクロード」を切り開けば、大きな潜在力を持つユーラシア内陸市場、幅広い戦略の余地を手にすることができる。もちろん、そこにはテロリストの脅威も存在する。

  改革開放より、中国の外交の「東進」戦略は、十分に進められてきた。これと比べ、西進戦略は、開発の遅れにより制限を受けている。近年、西部の経済発展、国家安全などの重要性、外交の努力により西進ルートを切り開く必要性が示されている。20世紀末に創設された上海協力機構は長年の発展を経て、地域協力と地域事業の中で重要な役割を演じるようになった。中国政府は近年、新たな中身を持つ「新シルクロード」の理念を提唱している。これは中国の外交の西進戦略という理論の根幹を成している。

  習近平国家主席は昨年9月に中央アジア4カ国を歴訪し、中国の「新シルクロード」の理念について説明し、「シルクロード経済ベルト」の建設を強調し、具体的に「新シルクロード」構想の2つの内容について説明した。(1)現代の条件の下、古代シルクロードの旅が残した観念と理念を広める。(2)中国と中央アジア諸国の鉄道 道路 航空 通信 送電網 エネルギーパイプラインの相互接続を推進し、現代的 多面的 立体的なシルクロードを創造する。李克強総理は昨年末に中央アジアを訪問し、その内容を補充し説明を行った。

  習主席は今回の中央 南アジア4カ国歴訪で、まず上海協力機構のドゥシャンベ首脳会合に出席し、タジキスタンを訪問する。習主席は「新シルクロード」の構想を提唱し、中国と中央アジアの相互接続を通じて、中国西部の外交の空間を切り開く。

  習主席が今回訪問するその他の3カ国(モルジブ、スリランカ、インド)は、南アジア諸国に属する。南アジアは中国と中東 アフリカをつなぐエネルギー原材料輸入、工業製品輸出ルートの中枢、中国南西部の安定の保障、巨大な潜在力を秘めた市場だ。中国はパキスタン、スリランカ、ネパールなどの南アジア諸国と、長期に渡り友好的な協力関係を維持している。インドとの間には、「世界2大人口国」の間に特有の複雑な関係がある。外交の西進戦略を強化し、中国と南アジア諸国との友好関係を促進し、中国とインド洋を結ぶ「海上シルクロード」を切り開くことは、中国および地政学の構造にとって言わずと知れた重要な意義がある。

  さまざまな原因により、西部の発展は改革発展後も遅れていた。外交の西進戦略、陸地 海上の2本の「新シルクロード」の開通、「シルクロード経済ベルト」の形成は、西武の発展により多くのチャンスをもたらす。西北 西南地区は少数民族が集まる地域で、多くの民族が国境をまたぎ生活している。外交の「西進」は、中国と隣国の安定にとって極めて重要だ。

  そればかりではない。中央アジア、南アジアは、世界の外交の駆け引きにとって重要な戦場だ。アフガニスタン情勢は世界の先進国の注目を集めている。「シルクロード」はわずか数年間で、中国、ロシア、中央アジア、イラン、インド、米国、アフガニスタンなど数多くのバージョンが生まれた。中央アジア、南アジア、米国、ロシア、日本などの各国の首脳が頻繁に訪問しており、現地の各国の指導者も積極的に外交を展開し、活況を呈している。上述した地域の隣国、重要な利益関係国である中国は、地政学の舞台で欠席者になることはない。西進外交戦略の重要性が強く示されている。

  東進と西進はいずれも巨大な潜在力と多くのチャンスを持つが、同時に多くの支出と苦しい課題に直面している。幸いにして、今日の中国は国力 軍事力 財力 国際的な地位のいずれから見ても、100年以上前とは比べ物にならず、「東西を駆け巡り、虻蜂取らずに終わる」ことを心配する必要がない。中国は東西で同時に大きな収穫を得ることができる。

チャイナネット

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