Home > ニュース > 国際  > プルトニウム過小報告、申告漏れか隠蔽か
プルトニウム過小報告、申告漏れか隠蔽か
2014年 6月 11日10:46 / 提供:人民網日本語版

 核弾頭80発分に相当する640キログラムのプルトニウムが、国際原子力機関(IAEA)に日本が提出した報告から「蒸発」していた。日本政府は申告漏れで意図的なものではないとしているが、日本国内と国際社会からの疑いと不安はぬぐえていない。(人民日報「鐘声」国際論評)

 核に対して熱心であると同時に敏感でもある日本で、こうした「意図的でない核の取り扱い」という事態が明らかになったことは注目に値する。この640キロのプルトニウムは、日本の報告から漏れただけのものなのか、それとも意図的に過小報告されたものなのか。

 日本が問題性のある大量の核物質を保有しているという事実は今年年初から、世界の人々の心配のタネとなってきた。これらの核物質には、核兵器製造に直接使える兵器級プルトニウムや兵器級ウランも含まれる。注目すべきなのは、日本は長年にわたって核廃棄物からプルトニウムを抽出しており、上記の640キロを加えると、核兵器の生産に使えるプルトニウムをすでに45トン保有していることとなる。約5500個の核弾頭を生産できる計算だ。

 使用済み核燃料の再処理をすることができる非核保有国は日本が唯一で、日本には世界最大の再処理工場がある。日本は、原子力の平和利用という名の下、核融合や高速増殖炉など先端の原子力技術の研究を進め、核融合実験装置や核融合原子炉を製造している。また民間用の原子力発電のためとして核燃料の大量の購入・貯蔵・精製も行っている。最近は、ウラン濃縮の「本土化」の歩みを進め、遠心分離法によるウラン濃縮工場とレーザー法によるウラン濃縮工場を新設し、ウラン原料の分離処理能力は年間1500トンに達している。

 非核保有国では日本が最も多くの核物質を保有しており、その量は民間利用の需要をはるかに超えている。日本は数十年にわたって、「核弾頭の製造からドライバー1本の距離」と言われる技術レベルにある。同盟国である米国でさえ、日本の核武装を防ぐことを外交の要点としているという。

 軍事力の発展や歴史認識などの問題について、日本の政治屋は最近、虚言によって現実を乱し、疑いの種を自ら植えている。韓国メディアによると、従軍慰安婦の強制徴収を示す資料が存在しているのを知りながら、日本の政治屋は、慰安婦問題が国家犯罪だったということを否定している。南京大虐殺など事実が確かめられている侵略行為についても、日本政府はこれを隠し、歴史教科書の修正によって自国の若者を害そうとしている。極東国際軍事裁判の検察官を務めたロバート・ドニヒ博士は「日本は、第2次世界大戦とそれ以前に犯した暴行を意図的に隠そうとしている」と結論づけている。日本の政治屋のこうした手口は、今回の報告漏れが意図的なものだったのではとの疑いを高めるものだ。

  「日本で生まれ育ち、日本人である私は、日本人の言葉に建前と本音があることをよく知っている。安倍政権の本音は、日本の核武装を実現し、戦後の国際秩序を打破したいということだ」と、毎日新聞の元駐独記者の村田信彦氏は語る。

 日本の政治屋は、そうした「建前」で人を騙すことはできないということを理解しなければならない。建前も言い過ぎれば「本音」を示す。紙で火を包むことができないように「本音」はいつか馬脚を現す。

 日本は第2次大戦中、核兵器を秘密裏に開発し、原子爆弾の初歩的な製造技術を把握していた。爆弾が作られなかったのは核原料の不足のためと言われている。第2次大戦終結から70年近くが経った現在、安倍首相を筆頭とする日本の政治は右傾化を強め、安全保障の分野で現状を打破し、拡張を求める呼び声が高まっている。640キロのプルトニウムの「蒸発」には、報告漏れだったという言い訳では覆い隠すことのできない何かがある。国際社会は、高度の警戒を保持し、追及の手をゆるめてはならない。

関連記事