米国の盗聴活動に関するうわさと懸念が欧州で発酵し続けている。
ドイツ外務省は24日米国駐ドイツ大使を呼び出し、ドイツのアンゲラ?メルケル首相を盗聴した噂についてちゃんとした説明を求め、フランスのフランソワ・オランド大統領は盗聴事件をEU首脳会議の席まで持ち出して議論するという姿勢を表明し、欧州委員会委員長は、すなわち「全体主義」に注意するよう警告している。
EUの警告
EU首脳会議は24日から25日にかけてブリュッセルで行われ、元々議定日程が経済問題に重きが置かれたが、最近の米国の監視活動に関する報道とうわさに会議の焦点が移された。首脳会議の前に、欧州委員会のジョゼ・マヌエル・バローゾ委員長はこの話題について発言し、プライバシーと全体主義について話が及んだ。
バローゾ委員長は次のように語った。「欧州の民衆は私権を基本的な権利として見なしている。」「(東ドイツ時代)一部の民衆の日常生活は監視されていました......私たちは全体主義が何らかを意味していたことに対して記憶に新しく、私たちは権力を用いて民衆の生活に侵入することにより何が発生するかがはっきり分かっています。」
バローゾ委員長が演説の中で直接米国のことを言及しなかったが、まずプライバシーについて話し、 そして一歩進んで「全体主義」について話をしており、一部のメディアから見れば、それはまるで監視活動を全体主義に繋いたようだったという。
欧州議会のマルティン?シュルツ議長は、EUの米国との自由貿易協定(FTA)交渉の中止を用いて米国側の監視に対応するよう呼びかけた。マルティン?シュルツ議長は「私は我たちが今( FTA交渉)を中止するべきだと思っています。交渉にはある種の基準と原則がなければならず、さもなければ、もう一方との交渉は意味をなしません。」と述べた。
フランスの反応も比較的強烈だった。一人のフランスの外交官は24日、オランド大統領はEU首脳会議期間中、メルケル首相と米国の欧州での監視活動について議論し、またこの議題を首脳会議の席まで持ち出して話し合うつもりだと述べた。
ドイツが激怒
メルケル首相の携帯電話が米国側に盗聴された疑いがもたれた事件について、ドイツ外務省は24日午後、ジョンB.エマソン・米国駐ドイツ大使を呼び出した。ドイツのギド?ヴェスターヴェレ外相はエマソン大使にドイツ政府の立場を伝えた。彼らの面会の時点まで、米国駐ドイツ大使館はノーコメントだった。
その前日、メルケル首相は米国のバラク?オバマ米大統領に電話をし、不満を表明したという。ホワイトハウスのジェイ?カーニー報道官は記者会見で、オバマ大統領はメルケル首相に、米国側が彼女の通信に対して、「現在においての監視がなく、今後においても、監視することはしない」と「保証」すると回答した。しかし、メルケル首相自身は24日に、「友人を盗聴することは起こるべきではない」、受け入れることはできないと回答した。
メルケル首相と異なる党派に属したドイツ議員・ウォルフガング?ボシュバッハ氏は24日ドイツ放送局で「我たちの激怒は党派の境界線を超えた。私たちは(カーニー報道官の)回答に対して同様に激怒している。回答ではそれは首相の携帯電話が現在盗聴されていないと伝えましたが、過去にも盗聴されなかったかは伝えていなかったからです。」とカーニー報道官の声明に対して直接批判した。
独米関係と欧米関係に対してもたらされる恐れのある影響について尋ねられた際、デメジエール氏は「私たちはそんな容易には落ち着きを取り戻すことができず、フランスも同様のようだ。」と答えた。
多国が巻き込まれた
監視に遭った欧州の国はドイツやフランスに留まらない。一部のメディアの報道によると、イタリアも被害者で、そして英国は他の国を監視していた疑いに関わっているという。
イタリアの『レスプレッソ』誌が24日そのウェブサイトで、イタリアも米英の情報機関の監視対象だったと暴露した。記事は、イタリアに対する監視活動が海底光ファイバーケーブル3本を借りて展開し、「これらの大量の(情報)収集活動の中で、我々の情報部門は一定の役割を演じた」と伝えている。
『レスプレッソ』誌はこのように伝えた。スノーデン氏が暴露した文書では、イタリアのセキュリティ部門と英国政府通信本部は「第3レベル協議」を締結した。協議に基づいて、英国政府通信本部はイタリアのネットワーク通信と電話での通話から外交、金融や軍事情報を収集し、その後米国家安全保障局(NSA)に転送することができるとのことだ。
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