中国の無人機が東中国海を正当に巡航したことについて、日本メディアはこぞって大げさに誇張して伝えると同時に、「日本の領空を侵犯した無人機に対して、防衛省は撃墜を視野に入れ検討している」と報じた。この声明は広く注目を集めた。米国のグローバルホークや中国の翔竜といった長航続時間の無人偵察機には、作戦能力が備わっていない。双方の無人機が空中で遭遇したとしても、互いに没交渉で、自らの任務を遂行し続けられる。しかし長期的に見ると、相手側の無人機に攻撃を仕掛けたり、さらには無人機による空対空の戦闘が生じる可能性も高い。
中日はいずれもアジア、ひいては世界で大きな影響力を持つ国であり、釣魚島(日本名・尖閣諸島)に係争が存在しながらも、双方はこれが国家の軍事力による激しい衝突(特に人員の死傷)に発展することを極力回避しようとしている。さもなければ、対立が深まり不一致が広がることだろう。中日両国の主力戦闘機は、釣魚島の海域の上空で長時間対峙する能力を持っているが、そうなれば労力と資源の浪費になり、また戦闘機の激しい空の駆け引きは偶発的な衝突をもたらしやすく、事態をさらに悪化させる可能性がある。
日本は米国の無人機、グローバルホークの導入に積極的だ。同機は海上監視の卓越した性能を持つ。例えば2005年のグローバルホーク海事デモンストレーション(GHMD)プログラムにおいて、米海軍は2機のグローバルホークを購入した。同機の最長航続距離は2万キロ以上に達し、2万メートルの高空を30時間以上に渡り連続飛行できる。一連の実験と訓練により、同機は卓越した海上監視能力を示した。米海軍はその後、RQ-4Nグローバルホーク海軍型を調達した。海軍型には多機能のフェーズドアレイレーダー、先進的なデータリンク、光電センサシステムが搭載されており、海上監視能力が非常に高い。日本が同機を購入しようとするのは、その特長を高く買っているためだ。同機は沖縄から離陸すれば、中国の釣魚島の上空を30時間に渡り飛行できる。その探知距離は中国大陸の海岸線に迫る。これは中国が釣魚島の主権を維持する上で、非常に不利なことだ。
釣魚島の上空の争いは長期化する。高い自律性を持つ無人戦闘機は、高知能、高妨害対抗能力、秀でた空中作戦能力により注目されている。特に釣魚島のような、少ない戦闘機が空で長時間対峙するケースの場合、無人戦闘機は他者には及びもつかない長所を持つ。海外メディアは、中国版X-47Bと呼ばれる無人戦闘機「利剣」は、すでに地上滑走試験を実施しており、間もなく初飛行を実現すると予想している。これは中国が米・仏・独の3カ国に続き、世界で4番目に大型ステルス無人戦闘機の試験飛行を実現する国になることを意味する。この面において、日本は大幅に後れを取っている。しかし日本の強みは、米国やフランスから類似する武器や技術を導入することで、無人戦闘機の作戦能力を迅速に形成できる点だ。
将来的に釣魚島の海域の上空で無人機の対峙、妨害?妨害対抗作戦、さらには空対空の戦闘が生じる可能性は高い。これは両国の無人機技術、および関連産業の発展を刺激する。無人機の空戦がSF映画から現実に移るのに必要な時間は、我々の想像を大幅に下回るかもしれない。この死傷者が出ない異なる空戦において、双方は軍事産業の技術水準、現代情報化戦争に対する理解力を競う。中国の無人機の急速な発展により、我々は将来的にこの国家海洋利益を維持するハイテク「ロボット大戦」で勝利を収める自信をつけている。
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