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欧州委員会委員、「プリズム」機密計画への個人情報保護法の強化が求められる
2013年 6月 20日17:00 / 提供:新華網日本語

 【新華社ブリュッセル6月20日】欧州委員会で司法、人権および公民事務を担当するヴィヴィアン レディング委員は19日、米国の「プリズム」と呼ばれる情報収集のための機密計画について、欧州連合(EU)は新しい法律を早急に制定し、欧州の公民の個人情報を保護しなければならないと述べた。

 レディング氏は同日、欧州議会の議員とブリュッセルで米国の「プリズム」計画に関して討論を行った。レディング氏は、この監視プログラムは、EUに対しての警鐘であり、 個人情報保護法の強化に対する緊迫した必要性が浮き彫りになったと言える。同氏はまた、新しい法律はEU諸国で経営されるすべての企業に適用されるべきだ、と表明した。

 レディング氏は14日、米国のエリック ハンプトン ホルダー司法長官とダブリンで会談を行い、欧州と米国がトランス アトランティック専門家チームを設置し、「プリズム」計画について協議を行うことで合意したと語った。同専門家チームは、7月から活動を開始する予定。

 レディング氏はホルダー長官から会談で「プリズム」計画について説明を受けたが、すべての質問に回答を得たわけではないと述べたうえで、欧州の公民の個人情報は米国の公民と同様に保護されるべきだと強調した。

 レディング氏の提案は、会場で多数の議員から賛同を得た。フランス出身のベロニカ・マシュー欧州議会議員は、「たとえ安全性の確保が目的であっても、米国人がEU公民を監視することは容認できない」と語り、EU諸国は個人情報の保護に関する新しい法律を早急に制定する必要があると指摘した。

 また、デンマーク出身のブリジット シッペル議員は、「プリズム」計画で収集された個人情報はテロ対策だけでなく、出入国管理にも使用されるため、「人々の個人情報が保護されるように保証しなければならない」と述べた。

 この頃、個人情報を監視する「プリズム」計画をめぐる議論は、米国国内だけでなく、欧州諸国でも高まっている。EU高官は、米国の情報活動は欧州の公民の基本的権利を侵害し、将来欧米間の協力に影響を及ぼす恐れがあると語った。

 

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