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日本企業の男尊女卑に嫌気を差し、中国へ渡る日本女性が続出
2012年 1月 15日15:51 / 提供:人民網日本語版

 日本企業の男尊女卑の性差別に嫌気を差し、中国へ渡る日本女性が大量に続出している。自らの能力と苦労に耐える精神を武器に、中国で新たな事業や生活を切り開いているのだ。環球時報が日本メディアの報道を引用した。  

 共同通信の記事(14日付)によると、成長を続ける中国の国際都市、上海では自分の能力を証明するために日本から渡ってきた女性たちが、リスクや失敗を笑い飛ばし、日本で培った温和な物腰と細やかな気配り、そして異国で鍛えたコミュニケーション力を武器に輝いている。  

 「ずっとこんなじゃ嫌だ」。大手電機メーカーに努めていた長島芳恵さん(39)に、こうした考えが芽生えたのは9年前だった。何かと「女のくせに」と言われ、上司に評価されれば男性同僚の嫉妬を買う。将来性ある中国で学ぼうと、上海留学に旅立った。  

 中国では語学学校に1年通った後、日系企業を経て、台湾系のコンサルタント会社に就職した。社内唯一の日本人だったが、営業の第一線で活躍するだけでなく、中国政財界との人脈づくりという重任も担った。「こんな大役を任されるなんて、日本では絶対にあり得ない」。さらに自分を高めるため、日系企業に転職。約1年で秘書長に抜擢された。  

 記事によると、上海には長島さんのように日本の企業を離れ、ゼロからスタートした女性が多い。従来のしきたりに固執し、女性を戦力と見なさない多くの日本企業。不況下で激しくなる採用時の性差別。彼女たちをこの選択へと後押しする理由はいくつもある。大学時代から約10年間上海に暮らす野口佐代子さん(28)は「何人か集まると、必ず夢を語る」と日本との違いを指摘する。雲井美千子さん(29)は「何でもできる気がする」と言う。上海で数年働いた後に日本へ戻ったが「もう一度勝負したい」との思いを抱き、日系企業の営業職として今年初めに再び上海へ来た。「出る杭を打つのではなく、学ぼうとする」社会の空気が、自分を成長させると感じている。  

 活躍しているケースが多いが、バスに1時間揺られて郊外の団地で営業をし、地元男性に混じって10元のランチを食べ、連日会社で深夜まで報告書を書くなど、非常に苛酷な勤務環境の日本女性もいる。月給は数万〜20数万円と日本より低いが、雲井さんは「こうした経験が将来に生きると、みな楽しんでいる」と言う。  

 中国での企業を望む日本女性も多いが、リスクは大きい。現地のパートナー選びを誤ると痛い目に遭う。だが上海でブライダル会社を立ち上げた陰山奈央子さん(34)は「失うものは何もないのに、何を恐がることがあるの?」と、こうしたリスクを楽しんでいるようだ。「1年後はどうなっているかわからない。そこが面白い」--。