Home > ニュース > 国際  > 東方網(日本語版)へ小原雅博総領事新年挨拶文
東方網(日本語版)へ小原雅博総領事新年挨拶文
2014年 12月 31日15:06 / 提供:

総領事公邸で、徳島県の魅力をアピールする小原雅博総領事=2014年12月

 謹んで新春のお喜びを申し上げます。

 私が上海に着任して1年3ヶ月余りが経ちました。この間、私は日中間における交流の促進と、中国の各界の方々との対話を強化することに努力してきました。

 経済分野において、日中両国は既に「君の中に我あり,我の中に君あり」の如き関係となり、共通する経済利益はますます拡大しています。中でも上海を中心とした華東地域には、2万社を超える日系企業が進出し、両国の経済相互依存関係の観点から、一層重要な役割を果たしています。近年、人件費の上昇等により、今年上半期は日本の製造業による対中投資が三割余り減少したものの、付加価値の高い金融や物流、小売り等の第三次産業への投資は却って勢いを増しています。特に今後は環境保全や医療、高齢者介護等の分野において日本の投資は拡大し続けると見られ、両国の経済交流はこれからも発展のペースを維持していくでしょう。

 上海は東西の文化が融け合いながら伝統と最新の流行が併存するという不思議な力と魅力に溢れている国際都市です。日中間の文化交流においても,上海は言うまでもなく最前線にある場所だと言えます。過去一年、我々は茶道、生け花、和服といった伝統文化から、カワイイ·ファッションやアニメなどのサブカルチャーまで様々な文化交流事業を積極的に展開し、多くの中国の方々に喜んでいただいています。また、昨年6月の上海国際映画祭の期間中には,「日本映画週間」が盛大に開催され、多くの中国の方々に日本の映画を鑑賞して頂き、文化·社会面における日本への理解と関心を促進する上で大きな成功を収めました。また、今年6月からは、上海歌舞団によるバレエ劇「トキ」の公演が日本の32都市で実施される予定です。日中双方の人々が,この舞台劇を通じて平和や調和という人類共通の価値の追求を共に味わい、相互理解を増進し,国民感情の改善が促されることを期待しています。

 当館は、長年、海外にある我が国の全在外公館において最多の査証発給件数を誇っています。特に2012年の1年間の査証発給件数は43万5千件で、史上最高の記録となりました。しかし、昨年は僅か半年でこの記録も破られ、年間の査証発給件数は2012年の約2倍に達しました。私の友人も含め、日本を訪れた方々は、皆、日本に対する印象はとても良く、また行きたいと言ってくれています。「百聞は一見に如かず」と言いますが、本年もより多くの方々が日本を訪れ、ご自分の目で現在の日本を理解して頂きたいと思います。

 昨年11月に北京で開催されたAPEC首脳会議の際に、安倍晋三総理と習近平国家主席の会談が実現し、両首脳は、戦略的互恵関係の原則にしたがって日中関係を改善、発展させていくことで一致しました。日中両国は引っ越しすることのできない隣国として、一衣帯水、「和すれば共に利し、戦えば共に傷つく」関係にあると私は考えています。  

 今後も、日中友好を願う多くの方々と力を合わせ、経済、文化、青少年、地方、教育、学術、観光等、様々な分野の交流を推進すべく、引き続き力を尽くしてまいりますので、読者の皆様にも是非ご協力をお願いします。  

 最後になりますが、本年が皆様にとって実りあるものとなりますよう、ご健勝とご多幸を、そして、東方網の更なる発展をお祈りし、新年の挨拶とさせていただきます。

関連記事