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パリ―アートを楽しんだ旅―(最終回)
2014年 9月 26日11:07 / 提供:

パリの街

 パリは、東京やロンドン、ミラノ、ニューヨークと並び、世界にファッションの流行を発信する、最もおしゃれな街の一つだ。パリっ子は美意識が高く、アーティストも雲集する。

 街を歩きながら観察してみると、美味しいそうなフレンチや様々なスイーツのお店がたくさんあり、美食に慣れたはずのパリジェンヌに、太っている人が少ないのは意外だ。彼女たちのお化粧はナチュラル系で、洋服はシックな装いが多い。彼女たちは当然流行にも敏感だが、かといって、みんな同じ流行りの格好をしているわけではない。一流メゾンが集中するこの街で暮らしながら、ブランドばかりに拘らず、自分のライフスタイルに合う着こなしをするのがパリジェンヌ流。また、シンプルな服にスカーフやアクセサリーなどの使い方がうまいし、柔らかい金髪をさり気無く纏めあげた後姿も素敵。その垢抜けのセンスは真似してみたいもの。 

 築100年以上の建物

 街角やレストランで見かけたマダムたちもまたお洒落で気品がある、身に着けている高級な品もよく似合う。女性は幾つになっても、美しくでありたい!彼女たちからはそんな雰囲気が感じられた。日々教養を高め、センスを磨けば、内面からの輝きは、年齢を超越した美しさがある、と改めて思い知らされた。 

 パリの地下鉄

 実は、フランスからモードを発信するようになったのは、ルイ14世の時だった。その頃は、ルイ14世が絶対王政を築き上げると共に、世界の中心もフランスへと移った。そこで、強くなったフランスは、かつてのファッション先進国だったスペインに取って代り、ヨーロッパを代表するファッションリーダーになったのだ。それからの1670年に現れた初期ファッション誌により、フランス貴族の特権だったファッションの概念は、徐々に庶民の間に伝わり、洋服はよりシンプルで着やすいものに変わっていったようだ。 

パリの蚤の市

 むかしのフランスのドレスには、裾を巻き上げて裏地を見せたり、スラッシュ開きから下生地を覗かせたりするようなデザインがあった、いま流行の重ね着や下着を少し見せるような着こなしは、そこから得たヒントかどうかは分からないが、ファッションというのは、いまの流行もあれば、むかしの良さをリピートすることもあろうかと思う。フランス人は古いものを大事にし、それを生かすのも上手のようだ。

 モンマルトルの画家

 土曜日の朝には蚤の市があると聞き、最後の土曜日に、地下鉄に乗って見に行った。ヴィンテージの服や雑貨などがいろいろあって、見て回るだけでも楽しい。たくさんある食器やカトラリーの中から、耐熱ガラスのファイヤーキングのフランス版を見つけた。そのチャイナ翡翠のような色に惹かれて、カップ&ソーサーを買って帰った。

カフェにいる筆者

 パリ滞在の数日はあっという間だった。多忙な日々ではあったが、合間を縫って、美食やアートを楽しむことができたし、勉強になったことも多々あった。このような貴重な体験をさせてくれた、今回ご協力頂いた日、中、仏の関係者には改めて感謝したい。

(文:陸燕萌  写真:馮学敏)


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