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パリ―アートを楽しんだ旅―(4) 
2014年 9月 25日13:14 / 提供:

 街のイルミネーション

 フランス料理は、国の貴賓を招待する時の正餐として使われる場合が多い。畏まった場面が想像されやすいが、気軽に食べられるコースもあり、フランスの郷土料理もその範疇に入る。パリ滞在期間中、食事は色々味わってみたが、お世辞にもパリの中華と和食は美味しいとは言えない。「和食」と看板を上げてあるお店でランチをした時、お蕎麦を注文したら、焼きビーフンが出てきたのにはびっくりした。郷に入れば郷に従え、結局は、本番のフレンチが一番美味しいと知った次第。 

 遠くから見るエッフェル塔

 同行する友人の誕生日会があって、皆でエッフェル塔の上にあるレストランで夜景を見ながらフレンチをした。で、最初のお皿はなぜか裏返しにして置かれてある。よくよく見ると、実はお皿の裏がアートになっていた。先ず、皿裏を鑑賞してという洒落た仕掛けなのだ。なるほど、美食はまず目から楽しむか、フランス人のユーモアなセンスには感心した。

 コースの終わりにボリュームたっぷりの誕生日ケーキが蝋燭と共に出てきて、おまけに可愛いマカロンもついてきた。フランス人はスイーツが別腹のようだ。

 下から見るエッフェル塔

 友人のお薦めで、フレンチの老舗で美食を堪能した。1900年に創業した「ラ·フェルメット·マルブフ」はパリ8区にある。

 ヴィンテージのランプを飾った入口で、「ボンソワール!」と声をかけてから、給仕に従い着席した。店内はエメラルド·グリーンのステンドグラスに包まれた空間。壁から高い天井までは、花や草などの植物のモチーフが優美な曲線で描かれている。アール·ヌーヴォーの装飾は実に華やかだ。 

 パリ市内のホテル

 友人はワイン通で、まずは美味しいワインをチョイス、給仕はタイミングを見て、静かにワインを注ぎ、料理を出す。一品を終えて、お皿を下げてもらう時に、こちらが「メルシ」と言えば、給仕も笑顔で答えてくれる。そんな柔らかな感じのやり取りをしながら食事は進む。

 コースは前菜のフォアグラのテリーヌから、シーフードのスープ、サーモンのムニエル、鴨のステーキまで続く。どれもボリューム満点で美味しい。フランス料理の神髄はソースだから、どの料理にもたっぷりと付けて賞味した。最後のデザートはスフレ、そのサイズは手のひらの大きさ!まさに目が点。フワフワで美味しいけれど、アジア人の胃を持つ私には限界だ。残念と思いつつ半分を残してしまったが、食後に出された一杯のエスプレッソーは最高の締め括りとなった。

16区界隈にあるレストランの控室 

 旅は非日常的なところに魅力がある。こんな優雅な環境の中で、本番のフレンチを食べて、友人と共に過した至福の一時は忘れがたい思い出になる。そして、以前よりフランスの食文化に対する理解も深めたような気がした。招いてくれた友人夫婦には感謝。

(文:陸燕萌  写真:馮学敏)



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