鳩とド·ゴールの像
限られた時間とは言え、パリの美術館はやはり外せない観光スポットだ。
日曜日はフランスの法律では働くことが禁じられているため、ほとんどのお店はクローズだが、幸い美術館は開いていて、しかも概ね無料だ。
ルーヴル美術館
ルーヴルをはじめ、オルセーやオランジュリー美術館を一通り回った。これらの美術館は世界最高にして最大規模とも言われるゆえ、とても隅々まで見て回る訳にはいかないものの、要所要所はしっかり見届けてきた。映像を通して見る世界の名画や彫刻も素晴らしいが、やはり実物の迫力と美術館の雰囲気に勝るものはない。歩き回って疲れたら、横にあるカフェで一服し、フランスパンのサンドイッチを噛みしめながら、美術館を包むアートな雰囲気も味わうことができる。
ルーヴル美術館の螺旋階段
オルセー美術館はもともと鉄道駅舎だったため、美術館に変身しても、元の吹き抜けなどを生かし、鉄道駅であった面影を随所に残す、とてもユニークな美術館だ。
ルイ·ナポレオン広場にある、イオミン·ペイ設計のピラミッドはルーヴル美術館の入り口となっている。その現代のピラミッドが古典の風格を持つルーヴル美術館の外観と奇妙にマッチングしているのが不思議だ。昼間の対照美はもちろん、ライトアップされた夜景もまたこよなく美しい。絶妙なリフォームの技術とアートなセンスに感心せずにはいられない。
オールセ美術館の時計台
ところで、名画モナ·リザを鑑賞している時にスリに遭遇した。間一髪のところで気付いたのが不幸中の幸いだったが、この素晴らしい都にとっては、これは玉に瑕と言えるかも。まあ、パリにスリが多いことは伝説ではないようだ。
美術館では地元の子供たちが床に坐り、先生の説明を熱心に聞いている姿を見かけた、芸術の都パリならではの環境に恵まれて、子供の時から本物の名画などを鑑賞し、アートな感性を磨くことができるのは羨ましい限りだ。
オールセ美術館
ルーヴル美術館から西へ歩いていくと凱旋門が見える。その間、長さ3キロほどのシャンゼリゼ通りは今も昔からの石畳、両側にはブランド·ショップやカフェが立ち並んでいる。
話に聞いた凱旋門からの日の出を見ようと思い、朝早くからシャンゼリゼ通りの真ん中に出たところ、日本テレビのスタッフにでくわした。ここは凱旋門からの日の出を見るベスト·スポットだと言う夫の説が当たった瞬間だった。
ミロのヴィーナス
シャンゼリゼ通りのマロニエ並木は、11月ともなれば、早くもクリスマスのイルミネーションで彩られる。夕方からのライトアップは冬の寂しい風景を華やかに飾り立て、通りの両側に並ぶこの時期限定の露店では、とりどりの土産品が売られていて、結構賑やかだった。
シャンゼリゼ通りのクリスマス飾りのデザインは毎年変わり、市民や観光客の大きな楽しみだという。
(文:陸燕萌 写真:馮学敏)