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朴槿恵大統領を「誹謗」した日本人記者が帰国を許可される
2015年 4月 16日15:17 / 提供:新華網日本語

 【新華社北京4月16日】韓国法務部は14日、日本の『産経新聞』の加藤達也前ソウル支局長の出国禁止措置を解除した。虚偽事実を報じ、韓国の朴槿恵大統領の名誉を毀損した疑いで、加藤氏は韓国の検察当局から起訴され、韓国からの出国を禁じられた。

 右翼派メディアの『産経新聞』は昨年8月、『フェリーが沈没した当日、朴槿恵大統領と連絡が取れなかったが、一体、誰と面会していたのか』と題した加藤氏が執筆した記事を掲載した。記事は、韓国のフェリー「セウォル号」が昨年4月16日に沈没した当日、朴槿恵大統領は7時間「行方不明」になっており、消息筋によると前秘書室室長と「プライベートで会っていた」と書かれている。

 韓国のある団体は、この記事が朴槿恵大統領の名誉を悪意によって傷つけたと認定し、加藤氏を告訴した。韓国の検察当局は即時にこの事件の調査を開始し、昨年8月に加藤氏に出国禁止を通知し、8回にわたり禁止措置を延長した。最後の禁止措置は今月15日に期限が切れた。

 検察当局は昨年10月に加藤氏を起訴し、次のように説明した。執筆した記事内容は全く根拠に欠ける。朴槿恵大統領は当時、青瓦台で公務を行っており、記事は朴槿恵大統領ともう一人の当事者の名誉を深く傷つけた。加藤氏は先ごろ、謝罪を拒否し、自分はフェリー沈没事故発生当時に、民衆の朴槿恵大統領の「不在」に対する憶測を報道しただけだと主張した。

【人道主義的配慮】

 加藤氏は14日夜、日本に帰国した。韓国からの出国を禁止された期間に、警察当局に拘束されることはなかった。 韓国では、裁判で判決が下る前に、外国籍の被告を帰国させる措置は尋常とは言えない。韓国メディアは、韓国側のこの决定は「人道主義的配慮」によるもので、すでに韓国に8カ月間、滞在している加藤氏が日本の自宅にいる高齢で身体の弱い母親の世話をすることができないためだと報じている。

 韓国の検察当局は次のように説明した。案件の調査と証拠収集が一段落ついたため、加藤氏の出国禁止措置を解除した。且つ、加藤氏は先に行われた裁判の審理にすべて出席し、今後の審理に出席することに応じ、『産経新聞』側もこれを保証する意向を示した。

【事件のエスカレートを望まない】

 加藤氏が韓国で起訴された後、日本側が韓国側の措置は言論の自由と両国関係を損なわせたと主張した。

 日本の岸田文雄外務大臣は14日、韓国の出国禁止措置解除は「当然のこと」であり、日本政府は韓国側に人道主義的憂慮を何度も表明してきたと述べた。日本の菅義偉内閣官房長官は同日の記者会見で「我々は引き続き韓国政府に適切な対応を呼びかける。」と述べた。

 もう一方で、韓国は加藤氏の起訴は法に照らして行ったと断言した。韓国外交部の鲁光鎰報道官は14日、定例記者会見で次のように述べた。この事件は韓日関係と無関係であり、韓国法務部は移民法の規定に基づき出国禁止措置を解除した。韓国はこの事件を外交問題にエスカレートさせることを望まない。


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