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仙台を中心に宮城県が不死鳥のように復活(3)
2012年 8月 13日16:55 / 提供:
観光客をひきつける蔵王『御釜』

 2011年3月11日に起こった東日本大震災で福島県だけでなく、宮城県の仙台も甚大な津波被害を受けた。1年後の仙台はどうなっているのか?8月上旬、上海メディア代表団の一員として仙台を中心に宮城県のあちこちに足を運んでいた。

神秘的な蔵王『御釜』

 仙台観光の目玉とされる蔵王『御釜』は年間、世界各国から160万人の観光客をひきつけているという。

 『御釜(おかま)』は、蔵王刈田岳・熊野岳・五色岳の3峰に抱かれた円型の火口湖で、形が釜状なのでこの名がついている。今まで26回の噴火を繰返した荒々しい火口壁や神秘的なエメラルドグリーンの湖面は、蔵王の象徴となっている。その御釜は太陽光線の当たり方で、さまざまに色を変えるため「五色沼」とも呼ばれている。

 昭和14年に測深した当時は深さが63mあったが、五色岳断崖の崩壊により年々埋まり、昭和43年の測深時には最大深度27.6m、平均深度17.8m、周囲1,080m、東西径325m、南北径325 mだった。湖水は強酸性のため生物は生息できない。水温は表面から10数mの深度で摂氏2度まで下がり、それより深度を増すと温度が高くなる特殊双温水層で、世界でも例がない湖だ。

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観光楽地図

 蔵王の火山活動は、約100万年前から始まったとする説もあるが、少なくとも70万年前には始まっていたと考えられている。約3万年前には山体崩壊が発生してカルデラが形成された。その後、約3000年〜2000年前頃の活動で東側の外輪山が崩壊し、現在のような東側に開いたC形あるいは馬蹄形の外輪山となった。約2000年前からは同外輪山の内側での活動により中央火口丘(後カルデラ火砕丘)である五色岳が形成された。

 御釜は、1182年(養和2年)の噴火により誕生した。1820年(文政3年)以降に水が溜まり始めたと推定されている。なお、最新の噴火は1918年(大正7年)に発生し、噴気が発生した。その後、噴火には至っていないが、1939年(昭和14年)頃に水温の上昇が見られた。現在も湖底に何箇所かの気孔が存在し、火山ガスの継続した噴出が続いている。

(章坤良 写真も)

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