Home > 特集 >  > 仙台を中心に宮城県が不死鳥のように復活(5)
仙台を中心に宮城県が不死鳥のように復活(5)
2012年 8月 14日16:05 / 提供:
絢爛豪華な桃山様式の瑞巌寺

 2011年3月11日に起こった東日本大震災で福島県だけでなく、宮城県の仙台も甚大な津波被害を受けた。1年後の仙台はどうなっているのか?8月上旬、上海メディア代表団の一員として仙台を中心に宮城県のあちこちに足を運んでいた。

宮城県の歴史の重みを感じさせる文化財

 文化財は地域に生きた人々が残してきた、かけがえのない自然や文化的遺産だ。松島の遊覧船から降りて、絢爛豪華な桃山様式の瑞巌寺など寺社仏閣を見学した際には、歴史の重みを感じた。

 瑞巌寺(ずいがんじ)は、宮城県宮城郡松島町の日本三景・松島にある臨済宗妙心寺派の寺院である。平泉毛越寺・中尊寺・山形立石寺と共に「四寺廻廊」という巡礼コースを構成している。詳名は松島青龍山瑞巌円福禅寺(しょうとうせいりゅうざん ずいがんえんぷくぜんじ)。平安時代の創建で、宗派と寺号は天台宗延福寺、臨済宗建長寺派円福寺、現在の臨済宗妙心寺派瑞巌寺と変遷した。古くは松島寺とも通称された。毎年、11月第2日曜日には芭蕉祭が行われる。また、大晦日の火防鎮護祈祷である「火鈴巡行」と一般も撞ける除夜の鐘が有名である。

DSCF0030.JPG

瑞巌寺の参道

  境内には、「臥龍梅」と呼ばれる紅白二本の梅の木があり、伊達政宗お手植えと伝えられている。鎌倉時代、禅に傾倒した北条時頼は武力で天台派の僧徒を追い、法身性西を住職に据えた。瑞巌寺の近くに、五大堂などの寺院、伊達家の迎賓館であり月見のための施設でもある観瀾亭(月見御殿)などの歴史的建造物や、湾内遊覧船の発着港の松島港がある。盆には松島灯篭流し花火大会が行われ、松島の洋上を花火が彩る。

DSCF0038.JPG

東日本大震災で傷んだ立石島周辺について、修復に向けて発掘調査中

 毛越寺(もうつうじ)は、近年になって復興された岩手県西磐井郡平泉町にある天台宗の寺院。開山は慈覚大師円仁。850年(嘉祥3年)、中尊寺と同年に円仁が創建。鎌倉時代には鎌倉幕府にも保護されたが、1226年(嘉禄2年)に火災に遭い、戦国時代の1573年(天正元年)には兵火に遭って、長年の間、土壇と礎石を残すだけとなっていた。

DSCF0039.JPG

後を絶たない見学者

 2001年(平成13年)に世界遺産登録の前提となる暫定リストに「平泉-浄土思想を基調とする文化的景観」の一部として記載された。2005年(平成17年)7月には史跡の追加指定がなされた。2008年(平成20年)の第32回世界遺産委員会の審議では、登録延期が決定した。文化庁および岩手県は「平泉 - 仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群」の一部としてユネスコへ再度申請し、2011年(平成23年)5月に国際記念物遺跡会議が世界遺産への登録を勧告し、同年6月25日に世界遺産に登録された。

DSCF0041.JPG

松尾芭蕉の銅像

 中尊寺(ちゅうそんじ)は、岩手県西磐井郡平泉町にある天台宗東北大本山の寺院。奥州三十三観音番外札所。山号は関山(かんざん)、本尊は阿弥陀如来。寺伝では円仁の開山とされる。実質的な開基は藤原清衡。奥州藤原氏三代ゆかりの寺として著名であり、平安時代の美術、工芸、建築の粋を集めた金色堂を始め、多くの文化財を有する。「平泉 - 仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群」の一つとして世界文化遺産に登録されており、「中尊寺境内」として国の特別史跡に指定されている。  

(章坤良 写真も)

関連記事