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仙台を中心に宮城県が不死鳥のように復活(6)
2012年 8月 15日7:43 / 提供:
渓流沿いに雰囲気の良い峩々温泉

 2011年3月11日に起こった東日本大震災で福島県だけでなく、宮城県の仙台も甚大な津波被害を受けた。1年後の仙台はどうなっているのか?8月上旬、上海メディア代表団の一員として仙台を中心に宮城県のあちこちに足を運んでいた。

心安らぐ秘湯の峩峩温泉

 峩々温泉(ガガオンセン)は胃腸病に効く名湯として知られる。湯の発見は明治2(1869)年で、明治9年に宿が開業。以来、保養温泉としてのあるべき姿にこだわり、湯治宿スタイルを守り続けている。

 峩々温泉独特の「かけ湯」「飲泉」「入浴」の三拍子で、湯治をしており、サイフォン式の導入により、内湯「ぬる湯」、貸切風呂「天空の湯」は、お湯が溢れ出ないが浴槽下部より古い湯とゴミが流れ出るしくみになっている。

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渓流沿いに雰囲気の良い峩々温泉

 まずは「転地作用」だ。美味しい空気を思い切り吸い込んだり、美しい景色の中でゆっくりと過ごしたり、また地方の新鮮な食事を沢山食べたりと様々。何よりもストレスのない自分だけの場所を探すのがこの作用の大きなポイントとなる。続いて温泉に入浴した時の「 温熱作用 」、「水圧作用 」、「浮力作用 」は3つに分かれいる。そして何と行っても泉質を指す「薬理作用」だ。峩々では飲泉もできるので、入浴だけでなく飲んで湯治効果を高めるタイプの温泉なのだ。

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混浴露天風呂

 最も人気を博したのは峩々温泉の露天風呂だ。露天風呂の楽しみは、泉質よりもむしろ周辺の自然にある。四季の移ろいを感じながらの入浴はまさに旅情を感じさせるものだ。川風や鳥のさえずりに耳をすませながら、まさに蔵王の一部になる瞬間。

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渓流沿いに雰囲気の良い峩々温泉

 標高850mの山の中で、ゆっくりと湯につかる喜びはかけがえのないものだ。少し温まったら体をよく拭いて、下の川を眺めてみると、何とも言えない雰囲気に包まれ、頭のてっぺんから疲れがすっと抜けていくようなイメージができたら、もう自分のスイッチがオフになった証拠だ。この感覚が湯治にはとても大切な事。もしかすると露天風呂がその環境に最も適しているのかもしれない。

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峩々温泉の六代目の経営者である竹内宏之夫妻

 峩々温泉には3タイプの露天風呂があり、混浴露天風呂、貸切露天風呂、そしてこの男女別露天風呂だ。男女別にわかれている露天風呂からさらに石段を下ると渓流沿いに雰囲気の良い混浴の露天風呂に繋がっている。

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中国人からの書道を手に喜ぶ竹内宏之氏  

 東日本大震災以来の客層を振り返ると、峩々温泉の六代目の経営者である竹内宏之氏は、「これまで、うちの温泉を楽しむお客様の中で欧州と中国は5%を占めたが、東日本大震災が発生して以来、欧州からのお客様が減ることに対し、中国からのお客様が相変わらず利用している」と満足げに話した。  

(章坤良 写真も)

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