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日本の小説の魅力を中国の読者に伝えたい=陸求実氏
2011年 8月 24日9:05 / 提供:

  2011年3月2日、第18回野間文芸翻訳賞の選考委員会が行われ、上海訳文出版社の陸求実氏の『東京湾景』 (吉田修一著)の中国語版が受賞した。贈呈式は9月1日に北京市・釣魚台で行われる予定。贈呈式を前に、陸氏は上海ブックフェアにおける東方ネットのスタジオでインタビューに応じた。

 野間文芸翻訳賞の話題に触れて、陸氏はこれまで野間文芸翻訳賞の受賞は英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語のものが多かったが、中国語は今回2回目で、「この角度から見れば、中国の文学翻訳事業がますます重視される」とし、『東京湾景』 を読んでいるうちに感動したとしている。

 「愛してないから、こんなに自由になれるの」「それでも、お前と一緒にいたかったんだよ」。品川埠頭の倉庫街で暮らし、働く亮介が、携帯サイトの「涼子」と初めて出会った25歳の誕生日。嘘と隠し事で仕掛け合う互いのゲームの目論見は、突然に押し寄せた愛おしさにかき消え、2人は運命の恋に翻弄される。東京湾岸を恋人たちの聖地に変えた、最高にリアルでせつないラブストーリーだ。

 陸氏は『東京湾景』の粗筋は、中国の読者にとって馴染みのある『東京ラブストーリー』を思い出せ、「日本小説の魅力を中国の読者に伝えたい」と翻訳のいきさつを披露した。

  これまで『流冰之旅』(流氷への旅). [渡辺淳一自選集008] などを翻訳した陸氏は、今後の計画について、最近、日本の証券界の黒幕を暴露する小説を読んでいるが、「チャンスがあれば、翻訳したい」と期待している。

(編集:章坤良 写真:東方ネット)   

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