Home > ビジネス情報 > 日系企業  > トヨタの合弁自主ブランド車 新技術導入で注目集める
トヨタの合弁自主ブランド車 新技術導入で注目集める
2013年 4月 28日11:17 / 提供:人民網日本語版

 中国の自動車業界で増えつつある合弁自動車メーカーの自主ブランドは、かつては議論の的であったが、市場での検証を経た今、飛躍的な発展期を迎えつつある。今回の上海モーターショーでも、合弁自主ブランド車が高い注目を集めている。高級車である華晨宝馬(BMW)もこのほど、自主ブランドの「之諾」を打ち出し、ローエンドのイメージが強かった従来の合弁自主ブランド車の観念を覆した。各国の自動車メーカーはなぜこれほどまでに合弁自主ブランド車に情熱を注ぐのだろう?中国の政策に対応するためだろうか、それとも自社の発展のためだろうか?合弁企業双方はどのような共通認識に達しているのだろうか?多くの合弁メーカーを見ていくとその共通点と特徴を見て取ることができる。「中国青年報」は、日系合弁メーカーの最新の動向に注目し、次のような文章を掲載した。

 日系自動車メーカーの合弁自主ブランド車のスタートは、他国に比べれば遅いほうだ。しかし、ブランドの確立と技術の開放という面では他社よりも優位にある。一汽トヨタの自主ブランド「朗世(RANZ)」および、広汽トヨタがまもなく打ち出すブランド(名称未定)はいずれもトヨタ系で、今回のモーターショーでも最も注目を集めた自主ブランドとなった。

 一汽トヨタの田聡明・常務副総経理は、「朗世は古い車種の改造や、新エネルギ?を売りにした製品ラインアップの単なる穴埋めではなく、電気自動車(EV)を出発点とし、合弁メーカーの品質を受け継ぐ新ブランドだ」と語った。

 広汽トヨタの自主ブランド車もEVとなる予定だ。同社の馮興亜・執行副総経理は「ハイブリッドカーにおいてトヨタはすでに絶対的な優位を持つ。このため、合弁自主ブランド車はこの面で再度投資をする必要はない」と語った。

 トヨタはハイブリッド技術だけでなく、電気自動車(バッテリー、モーター、電子制御の3大システム、情報管理ソフト・ハードウェア、関連部品など)のコア技術も掌握している。これらの技術資源は世界一流であり、これらの技術が全面的に自主ブランド車に投入されれば、イメージ向上につながるだろう。

  トヨタの関係者は、自主ブランド車の初代車種にEVを選んだことについて、「中国市場は多元的なニーズを持つため」としたほか、「トヨタは、合弁自主ブランド車に立ち遅れた技術を決して使わない。合弁自主ブランドとして高い目標を掲げ、全く新しい技術を導入する」と強調した。

 合弁自主ブランドで議論の的となっているのは、中国側の研究開発能力の向上につながるかどうかという点だ。合弁自主ブランド車の多くは古い車種を改造しただけであったり、海外ではとっくに市場から撤退した車種のロゴを取り替えて、廉価で引き続き売っているだけ、という場合が多い。このため、業界内からは批判や反対の声が上がっていた。

 市場競争の新たな焦点となった合弁自主ブランド車だが、独自の優位を持つことができれば、合弁企業に大きな利益をもたらすだろう。「本物」の技術を投入すれば、市場を占有できる可能性は高い。つまり、合弁自主ブランド車のために多くの資源を提供し、中国のパートナー企業に多くの技術を提供した企業が、他社に先駆けて市場シェアを獲得できるということになる。

 高品質な自主ブランドを目指し、ますます多くの合弁企業が自主ブランド車を打ち出している。受動的な迎合から自主的な開発へ。観念の転換は企業の発展に向けたはっきりした認識から来るものだ。将来、合弁自主ブランド車からますます多くの革新的理念や構想を見ることができるようになるかもしれない。(編集SN)