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現代アートと伝統文化の関係性を模索=UCCA早春芸術週間が開幕

2018年 2月 3日17:41 提供:中国国際放送局

四方を観客に囲まれた丸い舞台で、DJとチェリストの生演奏をバックに一心不乱に舞う7人。彼らは武術家であり、モダンダンサーでもあります。流れるような太極拳の動作や刀、剣、棍、槍といった武器を用いた演武に、ストーリー性のあるモダンダンスが一体となったパフォーマンスが繰り広げられました。時にはユーモアたっぷりの動きに会場から笑いも沸き起こります。ピアノ、筝、シタール、中国の少数民族の合唱など様々な音色が取り入れられたBGM、場面に合わせてリズミカルに変化する照明、ファッション性の高い衣装、メイクも合わさり、観客は目と心を奪われていました。

2日夜に開幕したアートの祭典「脈絡:UCCA早春芸術週間」のオープニングを飾った、武術ならぬ「舞術」のステージでした。

演出担当の趙梁さんは公演後に、「人間のすべての動きは大自然から来ており、振付師は発見者にすぎないと思っている。私は西洋で確立されたモダンダンスの表現手法に、全く異なる要素を付け加えられないかと考え、武術に思い至った。この『舞術』がみなさんに感心を持ってもらえて嬉しい」と創作にこめた思いを語りました。

「舞術」のステージに続いて、隣の会場では日本人女性書道家の万美さんと「東京月桃三味線」の名で活躍中の三味線奏者・坂田淳さんの共演によるパフォーマンスアート「三味書」が披露されました。両手を墨で真っ黒に染めながら、万美さんが白い壁に書き上げたのは、力強い「阿吽」の文字。その両脇には、中国古代の思想家・王符(85-162)の言葉「志正則衆邪不生 心静則衆事不躁」(志正しければ、すなわち衆邪生ぜず、心静かなればすなわち衆事躁がず)が添えられ、激しい演奏と大胆な書との「阿吽」の呼吸に観客たちは圧倒されました。

真剣なまなざしで構図を確かめる、その姿もパフォーマンスの一部となっていく

中国でのパフォーマンスは初めてだという万美さんはCRIのインタビューに対し、「このイベントの内容は素晴らしいと思う」とした上で、「空間に合わせにいくのではなく、この空間に合う文字を、自分を100%表現することで書くことを心掛けて創作に取り掛かった」と笑顔で語りました。

「脈絡:UCCA早春芸術週間」は民間美術館・ユーレンス当代芸術センター(UCCA)が現代アートと伝統文化の関係性をテーマに開いた企画です。パフォーマンスアートや書道のワークショップ、映画上映会、トークセッションなど一連のイベントからなり、4日まで実施されます。 (取材:王小燕、趙雲莎)

公式サイト:http://ucca.org.cn/program/meridian-spring-festival/