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新華社記者の目で見る日本:工夫を凝らした博物館の数々

2018年 1月 17日17:10 提供:新華網日本語

日本は博物館・美術館が多い。日本人が好きだから増えたのか、国や自治体、民間が博物館を増やしたことで、好きな人が増えたのか、理由はよく分からない。日本の博物館・美術館のテーマは多岐にわたり、従来の歴史や芸術・美術に加え、生活や産業文化に関するユニークな博物館もあり、日本の社会と生活の様々な側面を映し出す。

記者は取材を通じて、日本文化の一端を改めて体験した。

  ▽花王ミュージアム

東京都墨田区にある「花王ミュージアム」は「清浄文化」を紹介する博物館で、洗剤、トイレタリーで国内1位、化粧品で2位の花王が運営する。世界と日本の「清浄文化」の発祥、発展と、これ以上は無いという豊富で細分化された日本のトイレタリー用品とその技術を展示する。

「清浄文化史」とは、人類の入浴・洗濯・掃除・化粧とその道具の歴史を指す。日本人がきれい好きなことはよく知られ、潔癖症とさえ言われる。日本では「清浄文化」も社会の共通認識とされる。ここに来れば、日本人の「清潔性と清浄」に対する飽くなき追求を改めて理解できる。

  ▽建築倉庫ミュージアム

2016年にオープンした建築倉庫ミュージアムは東京の天王洲にある。収蔵庫で建築模型を保管・陳列する施設で、日本で唯一の建築模型に特化した博物館だ。

建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を受賞した建築家の坂茂氏と伊東豊雄氏や、2020年東京オリンピックのメイン会場となる新国立競技場の設計を手掛ける隈研吾氏らのオリジナルの建築模型を見ることができる。

2千円の入館料は、一般的な博物館を大きく上回るが、来館者は少なくない。博物館スタッフによると、来館者は建築・設計業界の関係者や学生が中心だが、建築模型のファンもいるという。取材中、来館者の大半はカメラとノートを手にじっくりと鑑賞しており、決して「ちょっと見に来た」という感じには見えなかった。

  ▽東映太秦映画村

京都にある映画のテーマパーク「東映太秦映画村」は、日本の「横店影視城」(中国の世界最大規模の映画スタジオ)と呼ばれ、日本の時代劇の撮影所だ。1975年、時代劇は衰退の一途をたどっており、大手映画会社の東映は時代劇の振興を目的に、巨額を投じて戦国時代や江戸時代などの様子を再現した「太秦映画村」を建設した。一部が東映の撮影所で、一部をテーマパークとして開放している。

園内を歩くと、至る所に昔の格好をした人がいる。エキストラもいれば、見学者もて、表情や仕草がすっかり「なりきって」いる。まるで日本の昔の時代にやって来たかのようだ。

園内には360度スクリーンの立体映像シアターや映画文化館、浮世絵美術館、アニメミュージアム、お化け屋敷、迷路等があり、「横店影視城」よりも娯楽の要素が強い。

他にも日本郵政が運営する「郵政博物館」、時計メーカーが運営する「セイコーミュージアム」、日本銀行が設立した「貨幣博物館」、日本たばこ産業の「たばこと塩の博物館」など、多くの博物館が日本社会の生活の様々な面を紹介する。メリットは明らかで、国や自治体からすれば、人々の知識や審美眼を高め、生活を豊かにし、社会の調和を得ることができる。民間からすれば、社会での認知度を高め、減税対象となる場合もある。それぞれ一石二鳥と言える。(記者/楊汀)

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