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元日本代表監督の岡田武史氏が講演会=北京

2017年 9月 19日21:19 提供:中国国際放送局

講演会の様子

元サッカー日本代表監督で、杭州市のクラブチームで指揮を執っていた岡田武史氏が19日午前、北京の日本大使館で講演会を行いました。岡田氏は日本サッカーの歩みを振り返ったうえで、中国での指導の経験を踏まえ、中国のサッカー界に向けたアドバイスを語りました。

この講演会は日本政府による国際貢献事業「スポーツ・フォー・トゥモロー(Sport for Tomorrow)」の一環として行われました。岡田氏は、サッカーのレベルアップを目指すには若手の育成と指導者の養成が大きなポイントとなると強調し、「中国は今まで、代表チームだけを強化してきたが、近年になって、若手の育成と指導者の養成が大事だということに気づき、だいぶ変ったと思う。しかし、それを普及するためには、広いグラス・ルーツ(草の根)の育成が必要だ。日本サッカー協会の登録若手(18歳以下)選手の数は75万2966人にまでなっているが、中国では2016年の時点で4万2153人しかいない。中国の人口は日本の10倍以上あり、この比率で考えれば、中国の登録者数は750万人ぐらいにならなければおかしい。それぐらいまでにグラス・ルーツが増えなければ、若手の育成と指導者の養成は実を成さない」との見解を披露しました。

報道陣に囲まれる岡田氏

また、岡田氏は、「選手たちをルールで縛るのではなく、モラルで自らが動くようにしていかなければならない。時間を守ること、あいさつをすること、整理整頓することなど、小さなところから始めればいい」と指摘しました。

さらに、質疑応答で中国サッカー界へのアドバイスを求められた岡田氏は、中国のサッカー界がサッカーを強くしようと本気で思うことや、サッカーをやる子どもたちにお金ではなく大きな夢を与えることを提言しました。

記者の質問に答える岡田氏

講演会には、中国各地で若年層のサッカー教育に携わる指導者ら約200人が参加しました。北京の中学校でサッカーを教えている呉宏氏は、「岡田監督のような外国のサッカー専門家から指導を受けられる日をずっと楽しみにしていた。今日、岡田氏の話した内容をつぶさに書き取った。特にチームワークや求心力、モラルの向上などの面で大変勉強になった」と満足げに語りました。

また、岡田氏の講演を聞くためにわざわざ上海から駆けつけてきた青少年サッカークラブの責任者張豪氏は、「岡田氏を含む日本の若手育成の経験から栄養分を汲み取り、それを中国の子どもたちに伝えていきたい。私は普段、絵を描くことが好きだが、サッカーの教育も絵を描くことと同じだと思う。まず真似をすること、そして消化し、自分のスタイルを生み出すことが大事だ。日本も最初はブラジルのサッカーに学び、そしてヨーロッパのサッカーを勉強して、徐々に日本ならではのサッカースタイルが出てきた。中国も同じ道を試したらいいのではないかと思う」と語りました。(文と写真:斉鵬)