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【中日双语专栏】車椅子から見えた航空会社のサービス

2016年 7月 22日17:14 編集者:兪静斐

                            作者:莫 邦富

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(日本語訳:廣江祥子)

 この一年、立て続けに幾度か車椅子で飛行機に乗る羽目となった。自らの不注意で航空会社にご面倒をおかけしたことには当然ながら申し訳ない気持ちでいっぱいである。だが、ひとりのジャーナリストとして、一連の出来事のなかで普段は見ることのできない風景を見ることができた。

 一度目は全日空機で上海に向かう際のことだった。そのときは上海でさらに成都便に乗り継ぐ必要があった。出発日の前夜、荷物をまとめているとどうしたわけか腰に激痛が走り、動けなくなってしまった。だが渡航後の予定はすでに組まれ、私はその中心メンバーだった。直前でキャンセルしては各所に多大な迷惑がかかる。私は歯を食いしばって出発するほかなかった。

 空港に着くと全日空はすぐさま親切に車椅子を手配し、私の旅程表をもとにその後の乗り継ぎ便の航空会社とも連絡をとってくれた。到着した上海虹橋空港内に私を送り届けてくれる際、私は感動のあまり車椅子を押してくれたスタッフを引きとめて記念写真を撮った。彼らの笑顔を覚えておこう、とただただ思った。

 その次は最近のことである。中国各地から集まった新農業従事者視察団を出迎えに行く途中、ここ2年治まっていた持病の痛風が突如発症し、痛みがどんどんひどくなった。岡山から飛行機で東京に戻る際、やむなく再度車椅子を使うことにした。やはり全日空で、やはり変わらぬ笑顔で、スムーズな連携サポートであった。

 空港での全日空の車椅子サービスを2回経験し、全日空ではこうしたサービスが規格化·標準化されていることが分かった。国際線でも国内線でもサービスの質は変わらず、そのことで安心感が生まれ、彼らにお任せすれば安心して目的地に着くことができると感じた。

 さて、私は中国国内でも2度、車椅子で飛行機に搭乗した。成都と上海を往復したときのことである。上海から成都への往路は、全日空が国内線の航空会社と事前に連絡をとってくれたため、搭乗手続きをする際にはすべて申し送りが済んでおり、上海と成都の空港で航空会社のスタッフが車椅子サービスをきちんと提供してくれた。

 だが、次にトラブルが起きた。成都からの復路で、空港職員が車椅子の手配を忘れたのである。てんやわんやの後に問題は解決したものの、私はサービスの連携の差を目の当たりにした。

 成都から上海に着いた後、さらに信じられないようなトラブルが起きた。まずは私が使用している車椅子を途中で交換しなければならないという。サテライトホールで使う車椅子と空港内で使う車椅子は違うようだ。

 そして完全に理解に苦しむことに、航空会社のスタッフは私の乗った車椅子を押して、飛行機の出口から20メートルほど離れたボーディングブリッジの端まで来ると、もうすぐ迎えがくるからといって私をそこに置き去りにした。その後、そのスタッフ数名は、私からそう遠くない場所でしゃべったり、ネットを見たり、ふざけあったりしていた。

 その日は上海浦東空港からそのまま全日空便で日本に帰る予定で時間に余裕があったので、私はぐっとこらえて、最終的にどうなるのか事の成り行きを見守ることにした。

 こうして30分ほど辛抱強く待っていると、ひとりの若いスタッフが急ぎ足でやってきて、私の車椅子を押して手荷物受取所まで連れていった。彼は昼ごはんを食べに行っていたのである。私たちが手荷物受取所に着くと、ぽつんとひとつ残された私の荷物が私の到着を待っていた。

 そして極め付きに、国際線出発ロビーまで私を連れていってくれたその若いスタッフは、遠くに全日空のカウンターを見つけると、私を慰めるようにこう言った。「安心してください、彼らのサービスはいいですから」。

 送り届けてもらっているあいだ、私はわずかな不満の色も顔に出さなかった。つまるところ私が航空会社に面倒をかけているからである。だが、若いスタッフのこの言葉に私は深く感じ入った。彼らも自分たちのサービスが劣ることを分かっているのである。ならばどうして改善しないのだろう。中国の航空会社よ、なすべきことをなせ!