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日本ではヒットしたが中国で全く売れなかった3つの商品

2015年 9月 26日13:32

  こうしたサービスの便利さにいくらか驚いているが、車の運転台に固定されているiPhone6 Plusに表示されているその配車アプリにより感心した。そこに地図と移動している現在の位置を意味する矢印が表示されているばかりではなく、料金も刻々と変化している。それでは、カーナビも料金メーターも要らなくなるはずだ、というのが私の感想だ。

 ソフトの配車アプリがハードのカーナビにとってかわったのだ。そう言えば、日本でよく売れていた商品が中国ではまったく売れなかったものがある。大きく言えば、3つある。家庭で使われる固定電話、ビデオデッキ、カーナビと思う。そのいずれも日本では大きな隆盛をもたらした商品で、現在もよく使われている。

固定電話は中国で
なぜ普及しなかったのか

 固定電話の普及には、気が遠くなるほどのインフラ投資を必要とする。電話回線を蜘蛛の巣のように敷設しないといけない。交換機センターも設けなければならない。

 1985年、私が来日した頃、わが家があった上海の団地には、固定電話が設けられたのはわが家を含め数戸しかなかった。その数年前に固定電話を引いたが、85年には新規の希望者がすでに数年待ちになっていた。待ちきれなかった人々は当時、高価な携帯電話の方へ走った。この傾向は近年になってより顕著に現れた。

 2013年、携帯電話の普及率は90台/100人のレベルになっている。北京、遼寧、上海、江蘇、浙江、福建、広東、内蒙古では100台/100人というレベルも突破したほどだ。しかし、固定電話の普及率はむしろ減少の傾向になっており、19.7台/100人という低い水準に陥っている。

 ビデオデッキは商品として認知される前に、幕を閉じられたようなものだ。中国市場に大きな期待を寄せてビデオデッキの製造工場などの建設に巨額の投資をつぎ込んだ日系企業は大損に泣いた。