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2021年 6月 10日14:58 提供:中国国際放送局
中国では整備工事を済ませた砂漠で太陽光パネルを設置して、循環型産業システムの創出に向けた取り組みが行われています。
内蒙古自治区の北西部に横たわるクブチ砂漠は、年間の日照時間が3100時間に上ります。この豊富な太陽光資源を砂漠対策の一環に生かすため、オルドス市杭錦旗では、土壌修復工事を終えた砂漠でソーラーパネルを設置し、その下で甘草やジャガイモ、カボチャなどを栽培し、敷地内で羊・ヤギなどを飼育することで、発電と砂漠の利活用、地元の低所得世帯や住民に働く場の提供、土地の付加価値の向上などを兼ねた循環型産業構造の創出に取り組んでいます。
クブチ砂漠に広がる太陽光発電所(オルドス市杭錦旗、5月26日撮影)
この取り組みは民間会社の「億利(Elion)」社などの主導で、2010年頃から始めたもので、クブチ砂漠ではこの年末までに広さ約67平方キロメートル、設備容量が1000メガワットに上る発電基地がすべて完工となります。
太陽光発電所内で放し飼いのヤギ(作物の発芽など特定期間のみ囲い込み飼育)
(オルドス市杭錦旗、5月26日撮影)
パネルの下はカボチャの種が蒔かれたばかり
(オルドス市杭錦旗、5月26日撮影)
発電所筋によりますと、これまで約5年にわたる実践で、プロジェクトの経済効果、生態効果と社会効果がいずれも確認され、今後はすぐ近くで現在の10倍の規模に相当する10ギガワットの新規プロジェクトの整備が始まるということです。(取材・記事:王小燕)