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チャンスはピンチの中にある 中国の探究と行動

2020年 4月 7日14:34 提供:中国国際放送局

新型コロナウイルス肺炎の世界的な感染拡大の中で、中国の経済発展は新たな試練に直面しています。

習近平国家主席はこのほど、中国東部の浙江省を視察した際に、「『危(危機)』が生まれると、同時に『機(機会)』も生まれる。『危』は克服できれば『機』に変わる」と語りました。

そのような「ピンチの中にチャンスを探し求める」ことが、まさに今の中国が取っている行動です。

感染症の流行は、多くの人々の生活を変えると同時に、多くの可能性を育みました。

先月8日の国際女性デーに、アリババグループが運営する中国最大の小売り(B2C)オンラインショッピングモール「天猫(Tモール)」は商品を紹介するライブ中継を実施し、その売上額は昨年の同じ日と比べて650%も伸びたということです。

そのほか、リモートワークをはじめ、オンラインを活用した教育、診察、スマート生産ラインの稼働といった、新しい活動スタイルが中国で迅速に普及しています。ビッグデータや人工知能(AI)、クラウンドコンピューティングなどデジタル技術の応用が、感染症の監視や測定、分析、ウイルス源の確定、感染症の予防・抑制と治療、資源調達や分配などを大きく支えています。こうした、デジタル化された生活は実体企業によって支えられ、新興産業は強力な原動力と成長の潜在力を示しています。

ところで、中国工業・情報化部は2015年と2018年にスマート製造に関する計画を公表しています。今回の新型肺炎の感染拡大は、これら2度の発表を受けてなおモデルチェンジが遅れていた企業に危機をもたらしましたが、すでにスマート化を完了させていた企業には成長の機会を与える結果となりました。河北石薬グループもその一例です。同社は2016年にスマート製造プロジェクトが認可されると、1棟目の製造センターだけでも1億5000万元の投資を実施しました。現在、新型肺炎にも効果があると見られる抗インフルエンザ薬「ウミフェノビル」の一日の生産量が元の3万箱から10万箱にまで増加したということです。

今回、中国が短期間のうちに物資不足を抜け出せた要因の一つに、自動車メーカーなど複数スマート製造企業が、工場での生産品をマスクや呼吸器へと迅速に転換したことが挙げられます。臨機応変に、自身の姿すら変えることが、成功のカギとなりました。

中国には100兆元の経済総量と14億人の巨大な市場があります。また、中国は世界において唯一の、すべての種類の工業を持つ国です。高い柔軟性を誇る経済の基礎と雄大な物資の基礎こそが、新たな原動力を作り新たな活力を発揮させる中国の底力です。習近平主席は浙江省を視察した際に、「イノベーション・協調・グリーン・開放・共有」という新たな発展理念が、中国経済の発展を貫く核心であることを改めて伝えています。(藍、謙)