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【CRI時評】「EU離脱」の実現で より困難な日々が待ち受ける

2020年 2月 2日10:27 提供:中国国際放送局

グリニッジ標準時の1月31日23時、3年半という長い時間を費やして、ついに英国が正式に欧州連合(EU)を離脱した。1973年初めにEUに加盟してから、今回の「EU離脱」の実現まで、英国とEUの47年の「蜜月」は世間の人々に「同床異夢」とは何たるものかを知らしめた。英国放送協会(BBC)の評論では、EUの歴史で最初に脱退したメンバーとして、英国の離脱は冷戦後の欧州における最大の地政学的変動だとしている。

ドイツのメルケル首相は英国の「EU離脱」はドイツとEUに深い傷跡を残したと無念さを隠さずに語っている。フランスのマクロン大統領は1月31日、英国の「離脱」はEUにとって打撃であり、また「歴史的な警告」であって、ヨーロッパがさらに強大で効率の良い欧州連合を作り上げ、改革を進めることが不可欠だという警告を発している。英国の離脱はEUに関係国間の利害の枠組みの再調整を迫ることになるだろう。一方では、今後の英国とヨーロッパの貿易コストは増加を免れないだろう。また一方では、ロンドンの金融センターとしての地位の弱体化にともない、パリ、フランクフルトなどの都市は、その経済的な影響力を強める機会を迎えるだろう。また、EUにとってはドイツについで二番目の資金拠出国である英国の脱退後は、新たに毎年100億ユーロ前後の資金調達ギャップが増えることになる。

英国の国内政治の面から見ると、2人の首相の退陣と引き換えにもたらされた「EU離脱」という成果は、英国社会の活力に大きなダメージをもたらし、民意には大きな亀裂が生じている。それによって火が着いたスコットランドの「英国からの離脱」を望む感情は、明らかな政治的リスクとなる。対外関係のレベルでは、英国とEUが袂を分かった後、今後双方がどのような関係を再構築するのかが一つの試練となるだろう。(CRI論説員)