ようこそ、中国上海!
中国国際輸入博覧会

Home >> 新着 >> 経済

【CRI時評】米国なぜ杞憂 中国は地位を脅かす存在にあらず

2019年 5月 29日22:44 提供:中国国際放送局

米国の政治関係者からこのところ、「中国経済は現在、米国に急速に追いつきつつある。米国よりさらに強大な国になる」との声が出ている。さらに、「中国は世界トップのスーパー大国になりたいのだ」との放言もある。実際には、中国が米国に取って代わることを発展目標に据えたことはない。米国の政治関係者による、中国を仮想敵とするこの種の偏執的な思い込みは、彼らが「戦略的焦燥」の深みから抜け出せないことの反映だ。

冷戦が終結した後、米国は全世界で唯一のスーパー大国の地位をしっかりと確立した。今日も、米国は経済、金融、科学技術、軍事力などの分野で、他国の追随を許さない。ストックホルム国際平和研究所のまとめによれば、2018年の米国の軍事支出は世界最多の6400億ドルで、米国に続く8カ国の軍事費の総和に等しかった。

それでも、一部の米国人は「十分に安全だ」と感じていない。なぜなら、彼らは絶対の優勢と絶対の安全に拘泥しているからだ。米国は軍備競争でソ連を倒し、為替レートという手段で日本経済の台頭を抑圧し、さまざまな口実を設けては他国に対して軍事行動を起こしてきた。そして米国は現在、世界最大の「トラブルメーカー」になってしまった。米国はその企みを次々に実現してからは、他者を疑うことでますます過敏になり、常に次のライバルを想定するようになった。

中国では経済と科学技術力が、40年間の改革開放を通じて急速に発展してきた。中米両国の国力の差は日増しに縮小してきた。しかし、両国にはまだ大きな差がある。米国政府が2017年に発表した「国家安全保障戦略」は、初めて中国を「主要な競争相手」と位置づけ、同時に「自由で開かれたインド太平洋戦略」を確認した。米国は最近になり中国に対して、貿易交渉で極限までの圧力をかけることに始まり、国家権力を動員してハイテク企業に圧力をかけることまで、中国に対する封じ込めと圧力を全面的にエスカレートさせた。ペンス、ポンペオ、バノンなどの政治家が躍起になって中国を中傷している。国務省高官であるスキナー氏は「文明衝突論」まで持ち出した。これらの現象の根底にあるのは、米国の一部政治関係者が、長年に渡って続けてきた唯我独尊的な覇権主義の行為がグローバル化発展の流れにより強烈な抵抗を受けていることで、自らの実力の衰えを感じて恐怖を覚え、中国に逆転される焦燥と不安に陥っていることだ。同時に、中国を標的にすれば国内の矛盾の責任転嫁ができ、彼らの背後にある利益集団にとっては利をむさぼるチャンスをもたらす。

この状況に対して、米国のカーター元大統領は、中国が米国を抜いて世界トップの大国になることを心配してはおらず、米国の苦境の根源は米国が「世界で最も好戦的な国」であることだと、冷静な見方を示した。仮に、米国が世界の至るところで手を突っ込み戦争で多くの資源を浪費しないとしたらどうだろう。資金をインフラ施設、教育システムに振り向ければ、米国はさらに素晴らしい発展を遂げることができるだろう。そうならば、追い抜かれると心配する必要は、どこに出てくるだろう。

それに対して、中国文化には「和をもって貴しとなす」というDNAが深く刻まれている。中国は世界第2の経済体になったが、それでも発展途上国なのだ。しかも、世界最大の発展途上国だ。中国の1人当たりのGDPは昨年になりやっと1万ドルに近づいたが、これは米国の6分の1にも満たない額だ。貧困から脱出させねばならない人が全国に1600万人以上も存在する。経済構造の転換とレベルアップであれ、さらに都市部と農村部、地域間の発展の不均衡問題の解決であれ、中国は巨大な精力と時間を費やさねばならない。

中国について言えば、現在そして今後の最も重要な任務は依然として、経済建設と国家の発展に集中し、国民にさらに裕福で、幸せで素晴らしい生活をもたらすことだ。中国は自らのことをしっかりとすることを、ひたすら望んでいる。米国に取って代わる考えもなければ、その余裕もない。他国と悪性の競争を展開して消耗することは、なおさら望んでいない。平和発展の理念を信奉する強大な中国がもたらすのは、各国にとってのさらに多くの発展のチャンスだけだ。(CRI論説員任傑)