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【CRI時評】どのようなデジタル世界が必要なのか?

2018年 11月 9日12:29 提供:中国国際放送局

第5回世界インターネット大会がこのほど、「中国のヴェネツィア」と讃えられる浙江省・烏鎮で開幕した。今大会のテーマは「相互信頼と共同管理に基づくデジタル世界を創出、サイバー空間の運命共同体を共同構築」だ。

今大会開幕の1週間前、ニューヨーク・マンハッタンのある雑誌が熱い議論を呼んだ。「コロンビア・ジャーナリズム・レビュー」(CJR)の編集部がSNS上で拡散されたフェイクニュースを「模擬的」に誌面に載せ、いかにフェイクニュースを識別するかを読者に紹介し、インターネットに虚偽情報が氾濫していることへの警戒を人々に呼び掛けたのだ。

今年6月末までに、世界のインターネット普及率は55%を超え、約42億人がインターネットを通じて情報を得るようになった。そしてこれは、知識の入手ルート、生活スタイル、考え方や価値観を変えた。ここからインターネットで伝わる内容が極めて重要であることが見て取れる。それは災難や事故、スキャンダルを拒んだり、内幕、秘密の暴露を禁じたりしてはいない。ただ、内容が真実であること、出所が合法的であること、悪意的なあおり立てが存在しないことを求めているのだ。しかし現実は逆で、インターネット上で最も速く、思うがままに広まるのは、人々にストレス、悲しみ、衝撃を与えるフェイクニュースだ。

英国のコンピュータ科学者のティム・バーナーズ=リー氏は1989年に「Mesh」を発明し、1990年に「World Wide Web」へと改称した。インターネットが「而立之年」、つまり30歳を間もなく迎えようという時、この英国人は現在のインターネットの発展状況に対する失望をロイターに示した。少数のインターネット大手が権力を握り、個人データは乱用され、インターネット上には憎しみの感情がまん延している。これは彼の発明当初の想定と遠くかけ離れているというのだ。

ティム・バーナーズ=リー氏はツイッターなどソーシャルメディアのプラットフォームを「もし、あなたが愛をツイッター上に置けば、それはすぐに腐ってしまうだろう。もし憎しみを書き込めば、その拡散力の強さにあなたは気付くだろう」と批判する。同氏は、「仲介者であるインターネットが伝える前向きなコンテンツが減る中、個々に力が与えられることはなくなった」と強調。インターネットはより多くの思いやりを伝えるべきだと呼びかけている。

マサチューセッツ工科大学(MIT)のある研究で、ツイッター上のフェイクニュースがリツイートされる可能性は真実の報道より75%以上高く、フェイクニュースが伝わる速さは真実のニュースの10~20倍との結果が示された。1500人に伝える場合、真実のニュースはフェイクニュースの6倍の時間がかかるという。

カナダ・ブリティッシュコロンビア大学(UBC)のデジタルメディア・国際業務のテイラー・オーウェン副教授は、「人々は大手インターネット企業が自己監督を実現することを望んでいるが、これは不可能なことだ。国際社会は手を携えてインターネット管理システムを整え、より透明、公正、秩序的にすべきだ」との認識を示す。

今日、人々はインターネットという時代の活力、変量性を最も備えた空間の中で生活している。伝達内容の管理においても、情報伝達のプラットフォームの監督においても、国際社会の参加は欠かせない。まさに中国の習近平国家主席が述べるように、インターネットは無形だが、インターネットを運用する人間は有形、各国は共にサイバー空間の運命共同体を構築せねばならないのだ。形のある人と人とは互いに信頼し、勘繰りを減らす必要がある。各国はよりいっそう、相互尊重、平等、包容という基礎の上に、無形のデジタル世界が守るべきルールを共に制定していくべきだ。(CRI論説員関娟娟)