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新華社評論員:米国の貿易覇権主義は世界を敵に

2018年 7月 15日16:12 提供:新華網日本語

欧州連合(EU)の鉄鋼・アルミ製品への追加関税、340億ドル(1ドル=約112円)相当の中国製品への25%の追加関税、2千億ドル相当の中国製品に対しての追加関税リスト公表など、米国のルールを無視した傍若無人な貿易覇権主義はエスカレートし続けており、中国の利益を損なっただけでなく、世界規模の貿易戦争を引き起こした。

米国の貿易覇権主義が損なうのは世界経済の発展である。世界銀行が6月に発表した最新の「世界経済見通し(GEP)」は、今年の世界の経済成長率を3・1%と予測したが、米国の行動は間違いなくこの回復の勢いに影を落とすだろう。あるメディアは経済協力開発機構(OECD)の分析を引用し、追加関税が中国・米国・欧州の貿易コストを10%引き上げた場合、世界の国内総生産(GDP)は1・4%引き下げられるとしている。仏紙ルモンドが社説で「今回の貿易戦争は理性を失っている。ワシントン当局の無責任さは世界経済を危険なレベルに追い込む」と指摘するように、米国のやり方は経済成長を損ねるだけでなく、人々の自信にも深刻な打撃を与え、世界経済に極めて大きな不確定性をもたらす。

米国の貿易覇権主義が破壊するのは世界の産業構造とバリューチェーンである。経済がグローバル化した今日、国際的な産業の分担は相互に依存し合うものとなり、グローバル化されたサプライチェーンのみが企業の利益最大化を実現できる。米国が関税を上乗せする340億米ドル相当の中国製品のうち、200億米ドル相当は中国に生産拠点を置く外国企業が生産したものだ。国際通貨基金(IMF)は、米国の関税措置が貿易パートナーの報復を続けざまに引き起こし、世界と地域のサプライチェーンが切断されることで、多くの多国籍企業は破壊的な影響を受けると警告している。

米国の貿易覇権主義が揺るがすのは国際ルールの土台である。世界貿易機関(WTO)を核心とする多角的貿易体制は、現在の国際経済貿易秩序の基盤だ。各加盟国(地域)、特に主要経済国はその権威と効力を尊重し守らなければならない。しかしながら、世界最大の経済大国で世界貿易ルールの主要な設計者である米国は、自分の利益のためだけに勝手に枠組みから「離脱」し、ルールを破壊、周囲に敵を作り、経済史上最大規模の貿易戦争を引き起こした。米国の行動に対しWTOのアゼベド事務局長は、世界の貿易体制は動揺し始めていると警告する。米国の無責任な行動は利益を得られないだけでなく道義にも反している。

米国の貿易覇権的な行動に世界各国や国際組織は相次ぎ反対を表明した。IMFのラガルド専務理事は、米国は世界の貿易体制にもたらした「関税の傷」の代償を負わねばならないと指摘した。フランスのマクロン大統領はこれを「違法」と見なし、欧州委員会のユンケル委員長も「純粋な一国主義」との見方を示した。カナダ政府も米国のやり方を「全く受け入れられない」としている。EUやカナダ、メキシコ、ノルウェー、インド、中国、ロシア、スイスなどの国はWTOに提訴した。一国主義と保護主義は人々の共感を得られず、自由貿易こそが人心の向かうところであることを各国の反応は十分に示している。

米国のやり方は各国から批判を受けただけでなく、市場からも「平手打ち」をされた。米国が2千億ドルの対中追加関税リストを公表した前日、新エネルギー自動車メーカーのテスラは上海の臨港工業地帯に大型工場を建設すると発表した。米シカゴ市のエマニュエル市長は11日、大型経済・貿易代表団を率いて中国を訪問し、中国企業と貿易投資提携について協議した。米国の製造業を代表するオートバイメーカー、ハーレーダビッドソンもEUの対米報復関税を回避するために生産の一部を米国から海外へ移転させることをこのほど発表した。重大な投資プロジェクトは企業の命運に関わる。各国経済の資金や技術、産業、人の流れを人為的に切断することは、それが不可能であるだけでなく、歴史の流れに逆らい、世界を損ない自国を害するだけであることを、経済貿易摩擦の決定的な瞬間に投資家たちは身をもってホワイトハウスに示した。

米ワシントン・ポスト紙のコラムニスト、ロバート・サミュエルソン氏は記事の中で「米国は最悪な方向へと向かっている」と語った。一国主義と多国間主義、保護主義と自由貿易、強権とルールのせめぎ合いにおいて、中国は国際社会と共に歩み、多角的貿易体制とルールを守っていく。経済のグローバル化と自由貿易の大勢はいかなる障害も阻むことはできず、協力・ウィンウィンの波は暗礁に乗りあげても滞ることはない。他国を損うばかりか自国の利益にもならない米国の行動は、必ず自業自得の憂き目にあうことを歴史は最終的に証明するだろう。

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