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米国西部の小さな村にも貿易摩擦の痛み

2018年 7月 15日8:42 提供:新華網日本語

夏の盛りになり、米モンタナ州のアムステルダム村では、緑色の麦畑と黄色の菜の花畑が広がり、美しい絵画のようだ。11日、70歳近い農夫、マット・フリクマーさんは銀色の軽トラックを運転し、揺られながら畑の間の道を進んでいた。目の前に広がるサッカー場450面分、800エーカーの土地が彼の収入源だ。

ただ、目の前に広がる絵画のような美しい景色も彼の沈んだ気持ちを癒やすことはできなかった。この日の朝、小麦の先物価格は1ブッシェル(約35リットル)あたり17セント下落した。ひたすらに農業人生を歩んできた彼にとっては大きなストレスとなっていた。

「あと1か月ほどでこの小麦は収穫を迎えるが、貿易摩擦は農産物市場にも影響を与え、我々農民の利益と直結している」と麦畑の前で話した。

また、海外輸出はモンタナ州の小麦産業にとって大きな意義を持ち、約80%の製品が極東市場に輸出されている。他に、大麦や牛肉なども重要な輸出品となっているという。

さらに、経済摩擦の現地農民へ与える影響が顕著になりつつある。鉄鋼価格の上昇は、農業器具の値上がりを招き、農産物の価格は下がり始めている。「目が覚ますたびに収入が減っている。こんな状況を喜べるでしょうか」と彼は続けた。

3代にわたり農業に従事してきた彼が経営する農場は大きいとはいえ、農業機械の力を借りれば、わずか1日半のうちに1人で200エーカーの種まきを終えることができる。「農業機械はわれわれにとって非常に大切だ。鋼鉄製品やアルミ製品への追加関税は、農業器具の購入や買い替えのコストを大幅に増加させた」と話す。

村で貿易摩擦の影響を受けているのは、農場を経営する農民だけではない。チャーチル農具社の提携先ケンダル・ウォーホフさんも同村で最も早く貿易摩擦の影響を感じた人の1人だ。彼は、上流のサプライヤーはすでに一部の農機具が約25%値上げする通知を送ってきたと明かした。

「値上げは、業界の不利益となるとわかっていても仕方がないことで、非常に残念だ。これほどのコスト増を自分が背負うことはできないので、大部分を顧客に負担してもらわなければならない」と述べた。村民のリタさんも、この村は小さな村に過ぎず、農民たちは決して貿易摩擦を望んでおらず、自分たちの生活が影響を受けることも望んでいないと話した。

ウォーホフ氏は、農業は高度に国際化された産業であり、産業チェーンの各部分が互いに影響しあっているため、関税という障壁により市場を分割することは一種の逆行だと述べた。

フリクマー氏は、貿易摩擦が米国の農民の将来を不確定にしたと物憂げだ。米国が貿易の不均衡の改善を望むなら、追加関税によって問題解決を図るのではなく、むしろ貿易パートナーとの協議を強化すべきだと話した。(記者/高山・黄恒)

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