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<CRI時評>:中米貿易の真相はただ一つ

2018年 7月 13日15:46 提供:中国国際放送局

米国はこのところ、中国との貿易戦の引き金を引いた理由として、通商法301条に基づく調査報告をしばしば取り上げています。米国通商代表部は10日、この301条調査に関する声明を発表し、中米貿易における中国側のやり方を「不当な手段で利益を得た」と非難しています。

これに対して中国商務部は12日、米国の主張する「中米貿易の不均衡、知的財産権の侵害、技術譲渡の強要、MADE IN CHINA 2025」などといった調査報告の主な内容に対し「事実を歪曲しており、根拠がない」との声明を発表しました。

まず貿易赤字の問題ですが、中国商務部はその原因について、米国国内の貯蓄率の低さや貯蓄通貨としての国際社会におけるドルの優位性を挙げました。そして「米国は冷戦思考に基づき、自国が優位を占めているハイテク製品の輸出を制限している」と指摘しました。これらは、両国の貿易不均衡問題に関するつぼをついています。

米国では、消費の際に後払いや前借りをする習慣があることから、貯蓄率が極めて低くなっています。去年1月から9月までの純貯蓄率を3ヵ月おきに見ると、1.9%、1.7%、2.2%と推移しており、世界最低レベルとなっています。一方で消費や成長をけん引するため、安価なものを輸入し、外資を積極的に導入するという手段に頼っています。この点について、中国はまさしく供給者であり、自然と貿易赤字が生じることになります。したがって、米国の貿易赤字の根源は、中国との貿易不均衡ではなく、米国自身の経済構造の不均衡であると言わざるをえません。

次にドルの地位についてですが、現在、全世界の外貨準備のうち65%以上がドルで、また通貨のうち80種類について、為替相場がドルとの連動もしくは固定制となっており、また外貨市場の取引の80%近くがドル決済です。このため、米国は金融面で強大な力を有しており、ドルや国債の追加発行で他国の商品や資源を際限なく手に入れられるので、貿易面で必然的に巨額の赤字が生じます。言い換えれば、米国はドルの国際的な地位を守るため、かなりの貿易赤字を保つ必要があることです。

また、中国との貿易赤字全体の40%を占めているハイテク商品について、仮に米国が輸出制限を解除すれば赤字はたちまち大幅減すると見られます。しかし、常に冷戦思考を抱えている米国は、制限を解除する意欲は薄いと見られます。

そして、いわゆる知的財産権についての問題も、まったく根拠のないものです。中国はすでに著作権や商標、特許、商業機密についてガードしており、法律や法規、地方の条例、行政規則、司法解釈など多元的な知財保護のネットワークを構築しています。北京や上海、広州などには知的財産権裁判所や仲裁機関があり、政府機関である知的財産権局の再編も行われています。このため、中国で知的財産に関する訴訟を起こす外国企業が増えています。

さらに、いわゆる技術譲渡の強要については、まったくのフェイクニュースです。中国には、外国企業が参入する際に技術譲渡を義務付ける、などといった規定は一切ありません。過去40年間、技術譲渡を義務付ける協定を締結したこともなく、またそれについての外国企業からのクレームもありません。

市場経済とは契約精神に基づくもので、企業間の技術譲渡は等価交換や自由意志という原則を踏まえた取引行為です。実際に、米国を含む多くの外国企業は、中国でシェアを奪うために自発的に一般的な技術を現地化し、パートナー先から特許費用や技術譲渡費用を得ています。

そして最後に、「MADE IN CHINA 2025」という産業政策を米国が非難している件ですが、「米国の301条調査報告の目的は、ハイテク製造業をしめつけることにより中国の発展をブロックするためだ」と識者らは見ています。

この「MADE IN CHINA 2025」は、市場による主導を堅持し、開放的で包容力のある発展計画であり、政府はこの中で指導役やけん引役を果たします。中国の指導部も、「国内外の企業を平等に扱い、外国企業の参入を歓迎する」と重ねて強調しています。現在、米国やドイツ、イギリスなど多くの国や地域の企業がすでにこれに加わっています。

中国の先端製造業の発展を抑え込むために、米国がダブルスタンダードを敷いていることは一目瞭然です。このような横暴なやり方は、国内の構造的な問題に手を焼いているホワイトハウスの責任転嫁であり、同時に発展していく中国に対する不安感を露呈したものです。米国はこうした背景で、ゼロサム思考によってライバルの芽を摘み取ろうとしているわけです。(洋、森)