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【安翊青コラム】世界を股にかけたベテラン商社マンに聞く

2017年 6月 1日15:58 提供:東方ネット 編集者:兪静斐

GUEST PROFILE

田村喜宏 YOSHIHIRO TAMURA

1981年、日商岩井(現双日株式会社)入社。2012年執行役員、2014年中国副総代表兼上海総経理を務める。

COMPANY PROFILE

 双日株式会社は、日本を代表する大手総合商社の1社。世界84箇所に拠点を持ち売上高約4兆円。1961年中国政府に友好商社として最初に指定されました。

 

今回のご赴任は二回目の中国赴任だと聞いていますが、前回赴任時と現在を比べ、変化が大きいところを教えてください。

 最初の中国赴任は2006年~2008年です。当時は人民元取引がまだ少なく、米ドル取引が主体でしたが、景気がとても良かったので、製品の宣伝に特に力を入れなくても、「日本製です」と中国系企業に紹介しただけで比較的容易に売れました。ただ、前回の赴任時に比べ、現在は、自分の力で十分良い品質の日本製のものを探せるので、中国系企業が双日の紹介をあまり望んでいません。代わりに、日系企業との取引というよりも、現在の双日が力を入れているのはインド等海外市場でのビジネスです。インド系企業は中国製のものに興味はあるけど、使ったことがないからとても心配だというところに、双日の紹介だから安心だというケースが多く、取引拡大につながっています。因みに、中国企業関連のインドでの事業は昨年から3倍の成長率で伸びています。

双日は、ベトナム穀物飼料事業、インド鉄道事業、フィリピン自動車事業、インドネシアにおける都市インフラ開発事業、タイ肥料製造事業、インドネシア·タングーLNGプロジェクトなど、アジアを中心に幅広い事業展開をしていますが、経営ビジョンはどう考えますか。

 一言でいえば、世界をリンクさせたいですね。これまでの多くは、日本のものを他国に売るというビジネスモデルだったのですが、近年では、A国の良いものをB国に売り、B国の良いものをC国に売っています。互恵関係を色んな国や地域と構築していきたいというのが夢です。

双日株式会社は、長い歴史を持つニチメン株式会社、日商岩井株式会社をルーツに持ち、150年以上にわたって多くの国と地域の発展を、ビジネスという側面からサポートしてきましたと思いますが、今後の発展計画は何でしょうか。

 今もそうですが、中国で仕事(生活)をさせて頂く際は、大変多くの人から助けて頂いています。今後はやる気が経営資源が不足している中国企業をサポートしていきたいと思います。よくある話ですが、中国の大手銀行は大口の顧客や大企業しか相手にせず、中小企業に対する与信審査などはとても厳しく、中には相手にしてくれないケースも多いようです。そういった企業を応援して、一緒に成長することで、少しでも中国に対し貢献できれば幸いです。

座右の銘もしあれば、教えてください。

 中国のことわざである「入郷随俗」(郷に入っては郷に従え)が好きです。