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天才詩人·海子の歌

2019年 5月 10日14:25 提供:中国国際放送局

 5月の北京はあちこちにバラの甘い香りが漂います。メインストリートである長安街も環状3号線も、沿道に色とりどりのバラが咲いて、品のよい香りを放ちます。毎年、花の季節になりますと、天才と呼ばれた詩人·海子の「面朝大海春暖花開(海に向く春が暖かい花も咲く)」という詩を思い出します。今回の中国メロディーは、亡くなってから今年で30年となった海子の詩を元にアレンジした曲をお届けします。


天才詩人、自尽

 詩人·海子は1989年3月26日、河北省の東·山海関の近くで自ら命を絶ちました。そんな海子は、「貴重なこの世に生きて人も植物も共に幸せ恋も雨も共に幸せ)」という詩を残しました。その言葉からは幸せへの憧れが溢れています。しかし彼は、若い体を冷たいレールの上に横たえ、ホイッスルを響かせた列車が通り過ぎるとともに、25歳の命を失いました。

 海子は、本名は査海生といい、安徽省の普通の農家で生まれ育ちました。幼い頃から優れた才能を示し、神童と讃えられ、僅か15歳で名門·北京大学に進学しました。そして新文化運動の幕を開き、芸術をリードする中国の最高学府が詩の創作にふさわしい環境を与えてくれたのです。また、故郷の立ち上る炊事の煙やそよぐ麦の穂が時々夢の中に出てきて、農家出身の海子にとって芸術的なひらめきをもたらしました。

 海子の詩には、麦畑、海、村、花、空、太陽などがよく出てきて、子供のころの田舎暮らしへの懐かしい思い出が感じられます。四季の移り変わりや風の方向、麦の生長がしみじみと感じられ、海子は「最後のロマン主義詩人」と呼ばれています。

 「面朝大海春暖花開(海に向く春が暖かい花も咲く)」という詩は海子の作品で特に明るく暖かなものとされます。詩の中に、多くの希望に溢れる言葉がありますが、その暖かい春に冬の寂しさが垣間(かいま)見えます。彼は、見知らぬ人すべてを祝福しましたが、自分は神に召されました。この詩を作った僅か2ヶ月後に命を絶ったのです。若い生命はこの世に暖かな絶唱を残しました。


明日から、幸せな人になる

馬に餌をやり、薪を割り、世界を一周

明日から、食べ物や野菜に気を配る

私には部屋がある、海に向く、春が暖かい、花も咲く

明日から、すべての親戚に手纸を書く

私の幸せを伝える

幸せの稲妻が教えてくれたものを

すべての人に教える

すべての川、すべての山に暖かい名前をつける

よそ者よ、祈ってあげる

輝かしい未来があるように

爱し合う人が夫婦になるように

幸せになるように

私ただ海に向く、春が暖かい、花も咲くよう願う