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影響力の再発揮を目指す 武術の故郷峨眉山

2018年 6月 14日9:12 提供:新華網日本語

全国規模の伝統的な武術のトーナメント戦(勝ち抜き戦)が、今年下半期に中国武術の重要な流派の一つの発祥地、中国四川省峨眉山市(がびざんし)で開催される。その際には、伝統武術による戦いの真の姿を観衆が目にすることになる。

同市文化広電新聞出版局の任建洪副局長は、「我々は公開申込システムを採用し、門派は問わないが、性別、年齢、体重でグループ分けをしている。現在、試合のルールにはリスク評価に基づいた判断が下される」と記者に語った。

峨眉武術は昔から少林派、武当派共によく知られ、中国武術の3大流派と称される。同地政府は、ハイレベルな試合の開催や学校内での武術の普及といった一連の取り組みを通じてブランドを作り上げ、峨眉山の文化観光産業の活性化を望んでいる。

同市は先月に「学校で武術に親しむ」活動を正式にスタートさせた。都市部と農村部の小中学校および幼稚園24カ所では、武術の授業が体育教育計画に組み入れられている。同地政府は武術を伝授させるため、専門の武術コーチを学校や幼稚園に招くと同時に、各学校も市主催の青少年武術大会への参加を予定しているという。

同市はまた、500ムー(約33ヘクタール)の敷地面積に約7億元を投じて文武学校(中国武術に重点を置いた教育を行う学校)を新たに設立し、既存の峨眉山文武学校にも大幅な拡張工事を実施する見通しだ。任副局長は、「峨眉山景勝地ではまもなく『峨眉武術メインルート』(伏虎寺-雷音寺-純陽殿-中峰寺)を打ち出し、沿道には彫刻や展示パネル、武術の要素を融合した飲食店が設けられ、観光客に峨眉武術の技と歴史について理解を深めてもらう」と語っている。峨眉武術国家級伝承者の王超氏は、当面の急務はより多くの人たちに真の峨眉武術を理解してもらうことだと考えている。

王超氏は、「戦国時代の司徒玄空が峨眉武術の創始者の一人とされている。彼が山中の猿の動きを真似て峨眉通臂拳(通背拳)を編み出し、剣法の技法を総括した」と語った。

峨眉武術の技法は柔軟で変化に富み、手のひらと指をよく使う。体格の立派な北方出身者に比べ、生まれつき小柄な人が多い四川省出身者にとって、手のひらと指を使う攻撃は、攻撃の範囲が広がり、身長のマイナス面を補う助けとなる。目下、峨眉武術は着実な発展の勢いを見せている。王超氏は、「現在、武術を習う子供が以前よりも増えていることは、政府の提唱によるもので、子どもの保護者もこれを支持している」と語り、「今は峨眉武術のパフォーマンスチームの発足に努めており、より多くの人々に真の峨眉武術を見てもらいたい」と、意気込みを見せた。(記者/王迪)