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村上氏、新作で南京大虐殺認める内容、専門家「正義 良識ある問題提起」

2017年 3月 9日17:10 提供:新華網日本語

日本の作家 村上春樹氏の新作「騎士団長殺し」が2月24日に発売された。同作品では主人公の「私」の口を借りて歴史的事件の南京大虐殺に触れ、旧日本軍が起こした中国侵略戦争や南京大虐殺に対する反省を述べている。そしてこのことで、日本の右翼勢力から批判を受けている。

村上氏の同作品では、主人公の「私」が歴史的事件の南京大虐殺を次のように語っている。

「そうです。いわゆる南京虐殺事件です。日本軍が激しい戦闘の末に南京市内を占拠し、そこで大量の殺人がおこなわれました。戦闘に関連した殺人があり、戦闘が終わったあとの殺人がありました。日本軍には捕虜を管理する余裕がなかったので、降伏した兵隊や市民の大方を殺害してしまいました。正確に何人が殺害されたか、細部については歴史学者のあいだにも異論がありますが、とにかくおびただしい数の市民が戦闘の巻き添えになって殺されたことは、打ち消しがたい事実です。中国人死者の数を四十万人というものもいれば、十万人というものもいます。しかし四十万人と十万人の違いはいったいどこにあるのでしょう?」

中国侵略日本軍南京大虐殺遭難同胞記念館の元館長の朱成山氏は、人民日報の取材に対して、「村上氏は国際的にも知名度の高い日本人作家であり、新作の中で南京大虐殺における中国人死者数に関して、『四十万人と十万人の違いはいったいどこにあるのでしょう?』という疑問を投げかけていた。これは、南京大虐殺は事件性が高いという視点、生きる権利を尊重する観点、正義や良識ある立場に立った、力強く鋭い質問だ」と語った。

また、朱氏は、「村上氏の問題提起が南京大虐殺の歴史をもみ消そうとする人たちの神経を逆なでした。彼らが南京大虐殺を否定するのは、歴史観が生み出した間違いによるもの」とした。

南京大虐殺は、第二次世界大戦中に日本の軍国主義が犯した深刻な罪であり、国際社会でも認められている歴史的事実だ。1948年に極東国際軍事裁判(東京裁判)の判決では、旧日本軍が長江に遺棄したり、穴を掘って埋めるなどして処理した死体(約15万人)を含めておらず、旧日本軍が南京で殺害した中国の市民や捕虜の数は合計20万人以上に上るとしている。朱氏は、「南京大虐殺の死者数に関して言い争う人たちの目的は、南京大虐殺の事実を否定し、さらには日本が侵略戦争や犯罪行為を行った歴史を否定することにある」と指摘している。

歴史を鑑とし、未来への警告とする。第12期全国人民代表大会常務委員会第7回会議で2014年2月、12月13日を南京大虐殺犠牲者国家追悼日とする決定が採択された。国連教育科学文化機関(ユネスコ)は2015年10月、中国の「南京大虐殺文書」を世界記憶遺産に登録した。このほか、カナダ オンタリオ州議会が12月13日を南京大虐殺記念日に制定する法案を審議しており、現在その審議は最終段階に入っているという。

(人民網日本語版)