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中米両国の科学者、6億3千万年前のキノコの祖先を発見

2021年 2月 25日11:04 提供:新華網日本語

中国科学院南京地質古生物研究所は22日、中国と米国の研究者がこのほど、貴州省で6億3千万年前の真菌類生物の化石を発見したと明らかにした。これまで発見された陸生真菌類の化石では世界最古のものだという。キノコや酵母、アオカビなど真菌類生物の祖先が6億年余り前に既に海から「上陸」していたことを説明している。

研究に参加した同研究所の龐科(ほう・か)副研究員によると、真菌類の化石は同省黔南プイ族ミャオ族自治州甕安(おうあん)県にある2カ所の白雲岩カルスト地形の洞穴で見つかった。研究者らは岩石サンプル20点を採集し、髪の毛よりも細い微小な糸状の真菌化石を千本以上取得した。陸生真菌の化石はこれまで、英スコットランドで発見された約4億1千万年前のものが最古とされていたが、今回の発見により記録が2億年以上さかのぼることになる。

研究チームはさらに、6億3千万年前の古代の真菌類の化石が、主に長さ数百マイクロメートルの中空のフィラメントと、フィラメント同士をつなぐ直径10~26マイクロメートルの中空の小球体の二つの部分で構成されていることを発見した。研究者らは現代の類似する真菌との比較から、フィラメントが真菌類生物の菌糸、小球体が生殖用の無性胞子ではないかと推測する。

龐氏は「生物の海から陸への進出は、生命進化の歴史で重要な転機となった。真菌は『開拓の先駆者』と呼ばれ、陸地が不毛の地から生命に満ちた土地へと変わる過程で重要な役割を演じた。今回発見された6億3千万年前の陸生真菌化石は、最古の陸生高等植物の化石よりも1億年余り古い。これは陸地の初期環境や生命の進化を研究する上で重要な意味を持つ」と語った。

今回の研究は、中国科学院の地球化学研究所と南京地質古生物研究所、米バージニア工科大学など中国と海外の研究機関の協力により完成された。関連する研究結果はこのほど、国際学術誌「ネイチャーコミュニケーションズ」に掲載された。

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