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中国で大人気の「螺蛳粉 」とは一体?

2020年 6月 12日9:33 提供:東方網 編集者:王笑陽

 今年の新型コロナウイルスの流行期間中、マスクや消毒液などと一緒にECサイトの人気検索ランキング上位に上がったのは、新しい人気インスタント食品「螺蛳粉(ロスフン)」だ。その発信地は広西チワン族自治区柳州市であるが、地元政府と産·学の三者が共同で「螺蛳粉産業学院」を開設し、螺蛳粉産業の人材を育てたことも話題となった。では、螺蛳粉とは一体何だろう?なぜこのほどの大人気を博したのだろうか?

螺蛳粉(タニシのビーフン麺)というがタニシは見あたらない。スープを取った後、タニシや肉などは捨ててしまうからだ

 「螺蛳」は中国語でタニシを意味し、「粉」はビーフン(うるち米の粉で作った麺の一種)を指す。タニシなどで作ったスープに、茹でたビーフンやタケノコの漬物などが入っている。強い酸味と辛味が特徴で、臭いので好き嫌いが分かれる食べ物だ。

 螺蛳粉は広西チワン族自治区柳州市の郷土料理である。全国に知られるようになったのは、2012年に放送された人気ドキュメンター、「舌で味わう中国(中国語:舌尖上的中国)」のおかげだ。広西チワン族自治区は山が多くてタケノコを大量に産出するため、地元の人々はタケノコの漬物を愛食する。その独特の酸味のあるタケノコの漬物を利用した料理が螺蛳粉なのである。

 この郷土料理が、いつでもどこでも購入できるインスタント食品の形になったのは、ここ数年のことだ。

 2014年、個包装の螺蛳粉を生産する柳州最初の企業が登録を行い、螺蛳粉を産業化の軌道に乗せた。その後、SNSとライブ配信アプリのおかげで、独特の風味を持つ螺蛳粉は、新しいものを試す意欲の強い若い世代にネットを通じて人気をじわじわと広げてきた。そして、今年は新型コロナウイルス感染症の流行で自宅待機した人が多かったため、あらゆるものをオンラインで購入するのが日常生活となった。こうしてインスタントラーメンの代替品の一種として、螺蛳粉もよく多くの人々に知られるようになったのである。

ECサイト「天猫」で検索すると、螺蛳粉を扱う店舗には最高月間150万以上の注文量がある

 人民網によると、昨年末現在、柳州市の螺蛳粉メーカーは81社を数え、登録ブランドは200以上、1日あたりの平均売上げは170万袋に達し、2019年の年間売上高は60億元(約900億円)を超えた。さらに、螺蛳粉は中国だけでなく海外でもファンを獲得して、アメリカ、カナダ、シンガポールなどの国にも輸出されている。柳州税関によると、今年1月から4月の螺蛳粉の輸出額は31万1千ドル(約3341万円)で、前年同期比の約1.4倍に増加したということだ。