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新型肺炎で不況の飲食店、デリバリーが業績挽回のチャンスに 重慶市

2020年 2月 21日11:04 提供:新華網日本語

譚雅匀(たん・がきん)さんは、最初のコールで受話器を取り、鍵をつかむと下に駆け下りた。この何日間か待ち望んでいた温かい火鍋料理のデリバリーが届いたのだ。

中国南西部の重慶では、新型コロナウイルスによる肺炎の感染予防と抑制のため、譚さんら市民に対して、1月下旬の春節(旧正月)の休暇以来、外出を控えるよう要請が出されている。

鍋料理が大好きな譚さんはこの1カ月間、誘惑に耐えてきた。

重慶は、中国の鍋料理の発祥地の一つで、その料理法に定評がある。地元住民にとって、鍋料理は生活の一部だ。新鮮な具材を風味豊かなスープで煮込んだ料理は、素材の味を最も引き出し、テークアウトよりもはるかに好まれている。

中国の飲食企業にとって、春節時期は本来「かき入れ時」であり高収益が見込まれていたが、突然の新型コロナウイルスの流行で外食を控える人が増え、レストランのオーナーは不意打ちを食らい、飲食業界も打撃を受けた。

中国料理協会によると、2019年の春節中の収益は、飲食業界の年間収益の約15%を占め、4兆6千億元(1元=約16円)を超えた。しかし、同協会の発表によれば、新型ウイルス流行の影響で今年は予約や結婚披露宴がほぼ全てキャンセルされ、多くの飲食店が営業を停止している。これまで外食事業の収益に大きく依存していた飲食店は、テナント料や人件費の圧迫から逃れることを期待して、テークアウトサービスへのシフトチェンジを迫られた。

そうした中、重慶商務委員会と関連部門の指導の下、市内の35の鍋レストランは、直接的なやり取り不要の「接触なし」のデリバリーサービスを開始。利用者は、電話、微信(ウィーチャット)、テークアウト用の注文アプリなど、さまざまなプラットフォームを介して料理を注文できる。

「5年前にデリバリーサービスを始めたときは注文数が非常に少なく、1日5〜6件だった」と、レストランの重慶秦媽火鍋を全国展開する重慶秦媽F&B公司の李傑(り・けつ)社長は言う。しかし、新型コロナウイルスが流行して以来、デリバリーの注文数は1日に100件を超えているという。

重慶で火鍋店を経営する周到(しゅう・とう)さんもデリバリーサービスを開始。実店舗で集めた人気のおかげで毎日400〜500件もの注文が殺到している。

中小企業が新型コロナウイルスによる事業へのダメージを乗り越えるのを支援するため、市政府は、財政支援や減税などのさまざまな措置を講じている。

周さんは、「今年の春節には売り上げが大幅に減少し、飲食業界の全員にとって教訓になった」と話した。

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