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南京大学の研究者、量子通信分野で新たな進展

2020年 2月 4日22:34 提供:新華網日本語

甘粛省蘭州市で実験する中国科学院院士(アカデミー会員)の祝世寧氏(奥左)と研究チームのメンバー。(2019年8月12日撮影、南京=新華社配信)

中国の南京大学の研究者が、小型無人機(ドローン)のモバイルプラットフォームによる「量子もつれ配送」を初めて成功させ、量子通信研究分野で新たな進展を遂げた。研究成果はこのほど、中国の英文学術誌「NationalScienceReview」電子版に掲載された。

研究を実施したのは、同大学教授で中国科学院院士(アカデミー会員)の祝世寧(しゅく・せいねい)氏が率いる研究チーム。プロジェクト責任者の龔彦暁(きょう・げんぎょう)氏は、今回実施したドローンプラットフォームを使った「量子もつれ配送」実験について、夜間や日中、小雨などさまざまな条件下におけるシステムの作業能力を測定したと説明。1秒間240万対のもつれ光子の生成や重さわずか468グラムの高性能集積化量子もつれ光源、軽量化光信号送受信一体システム、携帯型地上ステーションなど数多くの技術革新と新たな進展を得たことを明らかにした。

もう一人の責任者である謝臻達(しゃ・しんたつ)氏は、このシステムを使うことで、高高度のドローンや気球と長距離のリンクが確立でき、従来の光ファイバーや衛星量子ネットワークと接続できるため、異なるレベル間の量子ネットワークにおけるカバー範囲の問題を解決し、量子通信の実用化を推進する上で重大な意義があると述べた。

祝氏はシステムについて、機動性が高く、必要に応じてネットワークを構築でき、拡張が容易で、低コストという特徴を持つと説明。複雑な地形に応じた迅速な配置が可能で、緊急時などの応用が期待できると語った。(記者/陳席元)