中国人民銀行（中央銀行）は今日３０日、２０１９年版第５版の人民元紙幣·硬貨を発行した。発行対象となったのは、紙幣が５０元、２０元、１０元、１元で、硬貨は１元、５角、１角。新紙幣は偽造を防ぐために新たな技術を採用し、色合いがより鮮やかになり、図柄や構造も微調整された。

２０１９年版（左）と１９９９年版（右）の５０元紙幣

　今度の発行対象には５元紙幣がない。７月に中国人民銀行が新紙幣·硬貨を公開した際、その理由をこう説明した。

　「当行では近年、偽造防止力や流通の寿命を向上させるために新たな印刷技術の研究開発に取り組んでいる。そのため、額面が小さく、流通量が比較的少ない５元紙幣を選んで、関連の新技術の応用研究を実施している」、という。

２０１９年版（左）と１９９９年版（右）の５角硬貨

　そしてキャッシュレス決済が急速に発展している現在、新たな紙幣·硬貨を発行する必要があるのかという質問に対して、人民銀は、「現金使用率は少し低下している。しかし歴史的な変遷、消費者の習慣、遠隔地や特殊な層のニーズなどといった理由から、現金はこれからもかなり長期間にわたって中国での重要な決済ツールだ」、との見方を示した。

（編集：Ｗ）