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2019年 7月 22日9:30 提供:東方網 編集者:王笑陽
今年のCCG EXPOでは、コスプレイヤーの中に「漢服」を着た人が増えたほか、「漢服」やその関連グッズを販売する店も初登場した。
CCG EXPO 2019で漢服が注目される
「漢服」とは?
漢服とは漢民族の伝統衣装だ。またの名を華服という。外国人にとって中国の伝統衣裳のイメージがあるチャイナドレスは、実は満州族の民族衣裳を基にしているため、漢服ではない。
現在、漢服を着た人が一番多く見られるのは、CCGのような漫画·アニメ展や、観光地などの場所だ。そして地下鉄やショッピングモールでも、時々漢服を着た人を目撃することができる。
漢服と一言で言っても、よく見れば襟、袖、裾などのデザインが異なることに気付くかもしれない。それは時代ごとに漢服の風格が異なるからだ。大まかに分けると唐代風や宋代風、明代風などの種類がある。
時代ごとに漢服のデザインは異なる
例えば女性が着る「襦裙」で一番人気なのは、唐代風の「斉胸襦裙」(スカートの部分が特に長くて胸の上で締めるタイプ)と、宋代風の「交領襦裙」(上着を前右で合わせるタイプ)の2種類。
若者に漢服のブーム
伝統的な衣装とされる漢服だが、着ているのはほとんどが若者だ。年をとった人々の目にはかえって「新しいもの」に映るようだ。
そしてそういう人々の意見には、「時代劇でしか見たことがない」「コスプレの服じゃないか」「地下鉄やショッピングモールなどの場所で着ている人を見ると違和感を感じる」といった見方が多数を占めている。つまり漢服は普段着としてまだまだ定着していないということだろう。
ではなぜ漢服が若者に特に人気あるのだろうか?
観光地で漢服を着ている若者が増えている
まずは、ニューメディアの発達が関係していると考えられる。人民網のある記事の中に、「現在『00後(2000年代生まれ)』や『10後(2010年以降生まれ)』の多くが、ニューメディアのプラットフォームを通じて漢服への理解を深めている」という指摘がある。
新聞紙、ラジオ、テレビなどの伝統的なメディアと比べ、インターネットに基づくニューメディアは強い伝播力を持ち、人々に互いに影響しあうプラットフォームを提供できる。例えば、SNSやショート動画アプリに自分がきれいな漢服を着ている様子を投稿すると、たくさんの「いいね」を獲得できるだけでなく、そもそも漢服のことを知らない人に「こんなにきれいな服もあるんだ」と知ってもらうこともできる。
人気漫画『魔道祖師』
そして、ここ数年大きな発展を遂げている国産漫画やアニメの影響力も、漢服ブームが起きた要因の一つだと言えよう。人気漫画『闘破蒼穹』、『魔道祖師』、『一人以下』などの主人公は、いずれも漢服を着ているキャラクターだ。
さらには、民族への自信を高め、民族文化や伝統文化を復興するために学校で展開される国学教育や、国を挙げての伝統文化の発揚も、また「漢服ブーム」を支える下地になっていると考えられている。
(編集:W)