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中国の科学者、血管内ステントの新型薬剤塗膜設計を発明

2018年 8月 29日16:04 提供:新華網日本語

中国の科学者は、ステント挿入後の心臓血管の再狭窄や末期血栓のリスク低下を助ける新型の薬剤塗膜設計を開発した。冠動脈ステント手術は心筋梗塞、狭心症など心臓血管狭窄型疾病によく用いられる治療方法だが、ステントの挿入によって血管の生理的環境が変わり、副作用を来たしやすい。この研究成果はこのほどネイチャー・パブリッシング・グループ(NaturePublishingGroup)傘下の学術誌「NPGアジアマテリアルズ(NPGAsiaMaterials)」に発表された。

論文責任著者、重慶大学生物工程(工学)学院の王貴学教授の説明によると、冠動脈インターベンション(percutaneouscoronaryintervention)は心臓血管狭窄型疾病を治療する有効な手段で、なかでも薬剤溶出性ステントは最もよく使われる。しかしステント挿入によって血管の生理環境が変化し、殊に血管局部の力学的微環境に著しい変化が生じ、その刺激によって血管の平滑筋細胞が増殖し、血小板凝集による炎症を引き起こす。現在市販されているステント塗膜された抗増殖薬物は、損傷内皮の修復をある程度抑え、新生内皮がステントをカバーするのを遅らせ、ステントと内皮損傷による血小板の活性時間を引き伸ばし、末期血栓の発生リスクを増大させている。

こうした問題に対して、王貴学氏の率いる研究チームは、コアシェル構造微粒子からなる薬剤塗膜ステントを設計した。「このステントの塗膜は二層構造をもつ無数のナノ微粒子で構成され、微粒子のシェル層には抗血栓の薬物、微粒子の顆粒層には抗平滑筋細胞増殖の薬物の塗り付けを、同軸電極吹付方法で一度に完了させている」、王氏はこう述べ、さらに薬物放出シミュレーション研究によって、この塗膜設計は2つの薬物の時差放出を実現することができ、損傷内皮の修復過程に適合し、ステント内の再狭窄と末期血栓のリスクを低下させるのに役立つことが明らかになったと説明した。

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