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「天舟1号」飛行任務の7大ポイントを解説——宇宙貨物船の徐小平副総設計師に新華社記者が特別インタビュー

2017年 4月 24日11:35 提供:新華網日本語

新華網海南文昌4月24日(新華社記者/李国利、田兆運、王楠楠)中国の有人宇宙ステーションプロジェクトの重要部分として、初めての宇宙貨物船となる「天舟1号」は、宇宙ステーションのための貨物輸送と燃料補給という重大な任務を担い、さらに将来、宇宙ステーションで発生する廃棄物を大気層に持ち帰り、その焼却を行う。

中国有人航天科技集団第五研究院の貨物輸送船システムの徐小平副総設計師が新華社記者の特別取材を受けた際、「天舟1号」の飛行任務には7つのポイントがあるとみなしている。

ポイント1:宇宙貨物船の飛行試験任務を初めて実施

長期にわたり有人で管理を行う宇宙ステーションを建設するためには、宇宙飛行士に必要な生活、作業の物資及び宇宙ステーションの運用に必要な推進剤を輸送することが必要だ。徐小平副総設計師は、「貨物輸送船『天舟』シリーズは、中国の宇宙ステーション建設と運用した物資の輸送及び補給任務のために研究開発された新型有人宇宙機だ。」と述べ、また「天舟1号」の運搬能力は6トン以上で、現時点で体積と重量が中国最大の有人宇宙機だ。貨物室と推進室の2室構造となっており、貨物の積載とエネルギーの提供、動力の制御等のニーズを最大限に満たし、シンプルではあるが平凡ではないつくりを実現したと述べた。

ポイント2:宇宙機間の軌道上での推進剤補給を初めて実施

自動車に燃料補給が必要なように、将来の宇宙ステーションも長期間軌道上にいるためには「燃料補給」が必要で、この任務が貨物輸送船「天舟」シリーズによって行われる。同副総設計師は、「『天舟1号』よりも前に、軌道上での推進剤補給技術を持っていたのはロシアと米国のみで、このうち、軌道上での補給応用を実現したのはロシアだけである。」と述べ、また「天舟1号」は飛行任務として、現在軌道飛行中の中国初の宇宙実験室「天宮2号」に対し、中国初となる軌道上での推進剤の補給を行い、複数回の補給試験を展開する計画だ。推進剤補給試験を数回行い、推進剤補給技術を突破・把握し、中国の宇宙ステーション組立建設と長期的な運用のために、エネルギー供給に関する最終的な障害のクリアを目指すと紹介した。

ポイント3:宇宙遠隔計測追跡制御をメインとした飛行制御を初めて実現

「天舟1号」は初めて、宇宙遠隔計測追跡制御をメインとした設計原則を採用している。同副総設計師は、「簡単に言うと、元々地上又は海上にある計測システムを宇宙に持っていき、地上や海上の地域的な制限を避け、宇宙機の軌道飛行の主要な事柄に対する全過程の追跡を実現することで、軌道上の異常に対する迅速なモニタリング処理を確保し、人力と物的資源、資金力等のコストを引き下げた。」と述べている。

ポイント4:初めて基幹部品の自主制御を大規模に推進

部品を自主開発し、部品の自主制御の実現を加速し、宇宙ステーションで使用する基幹部品を事前に検証するため、「天舟1号」は飛行検証プラットフォームとして初めて、新しく開発された七大類国産基幹部品を大胆に使用した。同副総設計師によると、部品の自主制御は、中国の将来の宇宙ステーションと有人宇宙船の高度化と世代交代にとって、確実な基礎を据えるものとなった。

ポイント5:独自の快速ドッキング試験を初めて実施

徐小平副総設計士は記者に次のように述べた。「天舟1号」の前に、中国が掌握していたドッキング技術は約2日間を必要としたが、「天舟1号」は独自の快速ドッキング試験を実施し、ドッキング所要時間が約6時間に抑制される。快速ドッキングの実現は、宇宙船の軌道飛行の信頼性を高め、ドッキングのプロセスにおいて、軌道制御などを含めて発生する資源の消耗を減少させると同時に、宇宙船をより大きな度合いで保障するために有益となる。主に未来の宇宙ステーションの安全性を保障し、宇宙ステーションの突発的事件への緊急対応を利便化する。一つのイメージの例は、「天舟1号」が「普通列车」から「高速鉄道」への大きな一歩を踏み出し、より快速、より快適、より安定した貨物輸送を実施できることだ。

ポイント6:多項目の空間応用及び技術試(実)験用の負荷を初めて搭載

天と地を往復する交通ツールとして、神舟シリーズ宇宙船の「有人」の特徴と比較し、天舟シリーズの物資輸送船の主な機能は「物資輸送」だ。物資の「宇宙の運び屋」として、「天舟1号」は物資輸送のニーズに対応すると同時に、プラットフォームの有効エネルギーを最大限に発揮している。」と徐小平副総設計師は語る。「天舟1号」は宇宙船内に数十台の負荷設備を搭載し、軌道上で十項目余りの負荷試(実)験を実施し、「初飛行、多方からの受益」を実現した。

ポイント7:自発的に軌道を離れる帰還の制御を初めて実施

「『天舟1号』は飛行任務終了後に、地上の飛行制御技術者の指示により、自発的に軌道を離れ、南太平洋の指定海域に帰還した。」徐小平副総設計師は次のように述べた。通常の衛星の使命完了後と比較し、推進剤が消耗するにつれて、ゆっくりと高度を下げ、最終的に大気中で焼滅する終了モデルで、「天舟1号」は自発的に軌道を離れる方式を初めて採用して指定海域に帰還する。これにより、自身が宇宙の廃棄物になることを回避し、軌道を離れる過程での制御不能な要素を排除するだけでなく、また、クリーンで安全な宇宙環境を形成するために自ら貢献できる。

(新華社より)