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上海•大阪交流文集|文化交流——大阪大学の留学体験記

2023年 1月 16日12:59 提供:東方網

 私は2021年の春に試験に合格し、2021年の秋から1年間、大阪大学に留学する貴重な機会を手に入れた。新学期への期待に胸を膨らませている最中も、コロナ禍で日本の水際対策は頻繁に変わっていた。この不安の中、3月初めにようやく日本に来ることができた。

 一、桜の見頃、花見に魅了される

 3月の初めに日本に来た時はちょうど桜の開花時期だったので、各地の個性豊かな桜を求めて花見に出かけた。3月20日は二人の友人と大阪城の早咲き桜を見に行った。大阪城公園に着くと、満開の桜が目に入った。青い空に白い雲、桜がこの風景を美しく彩る。木の下にいる猫ちゃんのゆったりとした様子が可愛くてたまらなく、安らかな風景に感動した。日和がよく日本の祝日ということもあって、大阪城公園は子供を連れて花見に来た人でにぎわっていた。残念なことに、たぶん種類の関係だろうが最初に入ったところで見た桜とは異なり、大阪城公園の大半の桜はまだつぼみの状態だった。

大阪城公園のつぼみの状態の桜   

木の下にいる猫

 春休みがそろそろ終わる時期に、桜の名所である奈良の吉野山と京都の清水寺を訪ねた。4月5日は清水寺の満開の桜を堪能した。見頃を迎えた桜が咲き誇り、清水寺の古い建築はより魅力的になった。春休み最後の日は、名勝地である奈良の吉野山の桜を楽しめた。日に当たって麓にある薄いピンクの桜はよりよく映えた。そよ風が吹いて、花びらがちらちら舞い落ちていた。「桜吹雪」の絶景は夢のようだった。

清水寺の桜

吉野山の麓の桜

 花見は日本の春の一大イベントである。短期間に桜は満開から凋落へ、儚いけれど美しい、花見の機会はどれほど貴重なものかと感心した。コロナ禍のため、桜のもとでの食事や会話を控える人は多いが、名所の桜に魅了され、花見に行く人は絶えない。私も桜の見頃に日本に来ることができて満足した。美しく儚い桜を楽しめただけでなく、日本人の桜との絆も身に染みて感じられた。

 二、異文化交流、多角的に世界を知る

 私は阪大の日本語日本文化センターの留学生なので、センターのシラバスから興味のある授業を履修できた。日本留学なのに、授業を受けるクラスメートはみな日本語専攻の外国人で、日本人の学生がいなかった。説明会ではじめてこのニュースを聞いたとき、もし日本人の学生がいなかったら日本文化を深く理解するチャンスも少なくなるだろうと思い、残念な気持ちが湧きあがった。不安を抱きながら日本での留学生活を始めた。

 しかし、授業が始まって、私は心配する必要がなかったことに気付いた。阪大の留学生はみな日本文化に造詣が深く、日本語でコミュニケーションする能力も十分ある。授業では先生のおかげで活発な意見交換が行われた。日本をはじめとする各国の名前の伝統習慣およびタブー、日本の外国人労働者の就職の現状、日本の男女平等問題の歴史および現状、日本と国際の時事ニュースなど、私たちはさまざまな課題について話し合った。日本文化に詳しいクラスメートとともに日本社会の現状に関する議論を進めると、また新しいアイディアが出てきた。

 日本文化だけでなく、日本語を通じてほかの国の社会状況を知ることもできた。インドの友達とおしゃべりした時には、インドにも東アジア人の外見の人がいることを初めて知ることができた。ベトナムの流行語の一部は中国由来であり、しかも発音はそのままで伝わったとベトナムの友人に教えてもらった。異郷で中国文化の魅力を感じたことは驚きでもあり、親しみも感じられた。

万博記念公園で行われた寮の交流会

箕面キャンパスの外国語学部の図書館

三、深い体験、日本文化に出会う

 春休み中、大阪大学の先生が大相撲観戦会を企画した。日本文化の常識問題によく出る「国技」、すなわち相撲がずっと気になっていたので、私はすぐに大相撲観戦会の参加に申し込んだ。日本の大相撲は毎年6回行われ、それぞれ1月、3月、5月、7月、9月および11月に開催されている。私が観戦したのは3月に大阪で催された大相撲であった。実際に会場に行くと、伝統競技である相撲に対する日本国民の熱情を身に染みて感じた。教科書に載っている専門用語、横綱、行司などを生で見ることができて感動した。取り組みでは、小よく大を制す面白さ、横綱が格下の力士に負ける残念な場面、外国の力士が大阪の大相撲に参加していることなどを実際に見て、日本国民が相撲を重視していることに感心した。    

 にぎやかな伝統文化の活動のほか、留学期間中私は日本の静かな一面も体験できた。ある日、友達と学校の周りを散策していた時、「喜味」という食事処を見つけた。ほかの飲食店のように看板を高く掲げることはなく、古い内装が逆に好奇心をくすぐり、私はこの店に入った。店は小さく、黄色いランプが温かさを感じさせた。店主は私たちが初めて来店したと知ると、ここはメニューなしでお客さんに好きな食べ物を聞き、備えてある食材で作るようになっていると教えてくれた。それを聞いた時、ドラマの「孤独のグルメ」のシーンを思い出した。主人公も似たような和食店を訪れたことがあるとうっすらと覚えていたので、この店で夕飯を済ませると決めた。雨のせいか、店内に私たち以外客はいなかったので、店主に質問してみた。すると店主は、この店はもう25年間の歴史があり、以前店に入ってくれたお客さんが食べたいと言った物がなくて申し訳なく思ったことがあって今のメニューなしの経営方式に変えたと、話してくれた。私たちも店主と日本留学の経験を分かち合っていた。都市の片隅にある和食店は時代離れののどかさがあり、日本の静かな一面を感じさせた。

大相撲観戦会の記念写真

偶然に出会った和食店

和食店の内装

 私は最初に来たわくわくした気持ちを、今もはっきりと覚えている。真新しい箕面キャンパス、桜が舞い落ちる場面は、目に焼き付くように印象に残っている。中日国交正常化50周年の節目に大阪大学に留学できて光栄に思う。留学期間中は日本文化の特徴を学び、異なる国から来た日本語学習者として日本文化に対する理解を深め、文化交流の意味を改めて確認することができた。相手の文化を理解してからこそ、友好交流のかけ橋ができ、心を通い合わせる交流が実現するのだ。

阪大夏祭りのクラブ展示のホワイトボード

阪大夏祭りのインドネシア語専攻の学生の屋台

阪大夏祭りのクラブ展示のホワイトボード

(作者:郭倩鈺 上海外国語大学日本文化経済学院学部生)