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「青魚禿肺」とは?「本幇菜(上海料理)」レストランを見学

2020年 10月 20日17:01 提供:東方網 編集者:範易成

  東方網18日付:上海料理はまたの名を「本幇菜(ベンバンツァイ)」という。しかし今では、多くの「老克勒(ロクラ)」族(上海で昔、貴族的生活を体験した優雅な人たちを指す)が興味津々に話していた昔の料理を味わうことはなかなか難しい。先日、記者は上海市思南路にある月湖萃私房料理レストランを訪問して、上海の本幇菜の第一人者であった李伯栄の弟子の徐秀亮シェフに会い、「失われた」上海料理の作り方を見学させてもらった。

  旬の食材 「ロクラ」族が好きな上海風味

  昼の店内は食事をする人でとても混み合っている。個室をのぞいてみると、77歳の丁さんがメニューとにらめっこしている。明確な目的を持って来店したこの「ロクラ」は、まさに徐秀亮シェフの料理を狙っていて、今日は旬の料理を味わいに来たようだ。

丁さんは、「青魚を食べる季節が近づいたので、徐シェフが作る青魚禿肺を食べたくなりました」と言った。丁さんは小さいころから舌が肥えていて、子供の時に食べた味をまだ覚えている。「青魚禿肺」とはアオウオの肝の炒め物で、丁さんによるとこのような上海料理を出す店は、今はなかなか探すのが難しいそうだ。

  しばらくすると、「青魚禿肺」が丁さんの前に運ばれて来た。口に入れると舌触りが柔らかくて美味しいし、生臭さも全然ない。深い味わいがどこまでも広がっていくようだ。丁さんは、「これはまだ草青魚ですが、もう少し寒くなって烏青魚を使ったらもっと美味しくなります。徐シェフは草青魚を使ってもこんなに舌触りの良い青魚禿肺が作れるのですから、実に老練なる料理人なのですよ」と高く評価した。

  「種類が多い本幇菜の伝統を受け継いでいきたい」と徐秀亮シェフ

  徐秀亮シェフは上海本帮菜の第一人者と言われた李伯栄シェフの弟子で、一番得意な料理は師匠の十八番だった「虾籽大烏参(エビとナマコの煮込み)」だ。また、「油爆虾(上海風エビの素揚げ甘辛炒め)」や鶏の骨みそ、鰻の醤油煮込みなども客に人気がある。

徐秀亮シェフによると、上海料理には実は手間がかかるという。例えば虾籽大烏参のような料理は下準備がとても煩雑だ。なまこを戻すには1週間もかかる。毎日2回冷たい水を入れ替えて、水が沸騰しないように加熱しなければならない。

  シンガポールから来た客のマイケルさんは、徐秀亮シェフの鰻の醤油煮込みを食べて、「うなぎの皮につやがあって破れないし、食感は豆腐のように柔らかい。日本の職人が焼くうなぎと比べても少しも劣らないでしょう」と述べた。

  この鰻の醤油煮込みを作るには実は45分もかかる。その時間は長すぎても短すぎてもいけない。徐シェフは、「強火にしたあと弱火にしてまた強火にします。そうしないと魚の皮が破れてしまうのです」と説明した。

  上海料理の中でも、短時間で火を通す料理の場合にはさらにコツが重要だ。徐シェフの作る油爆虾はその代表である。エビは黄金に光り、殻は甘くてカリカリしている。エビの身には弾力性があり、口に入れると殻と身を簡単に分けられる。このように仕上げるためには油の温度が重要で、最適な時を狙ってエビを鍋に入れる必要があるし、また、油を通す時間はわずか数秒だけだそうだ。油爆虾に使う調味料は氷砂糖や醤油などの簡単な基礎調味料なので、美味しいと同時に健康にもよい。

  徐シェフは、「伝統的なものを受け継いで、上海料理の味を後世へ伝えたいです」と述べた。今年66歳となったシェフは、数人の弟子と共に上海料理を一つ一つ研究していて、一番伝統的な作り方で「ロクラ」族の記憶の中の味を再現しようと試みている。そして新しい料理を創作することにも挑戦している。今の若者の嗜好に合わせて、更に多くの若い人に上海料理を知ってもらい、上海料理をもっと好きになってもらうのがシェフの願いだ。

(実習編集:范応良)