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国内初の高齢者住宅改修プロジェクトが上海で試行

2020年 9月 2日17:21 提供:東方網 編集者:範易成

 上海市江陰路88番地小路は、上海石庫門らしい中洋折衷型の伝統的建築様式を感じさせる場所だ。今年95歳になる女性の陳さんは、ここで半世紀を過ごしている。このほど家の浴室がようやく改修され、陳さんは、「シャワーを浴びる時にもう転ぶ危険がなくなりました」と嬉しそうに述べた。今回の改修は上海でも高齢化が深刻な問題となっている今、全国初の高齢者住宅改修プロジェクトとして実施されたもので、高齢者サービス産業を中心としたイノベーションの模索の一つだ。去年の年末から始まったこれら高齢者住宅の改修は各地域で実験的に導入されていて、現在すでに基礎的なシステムが構築されつつある。

 同じ江陰路88番地小路にある適老化知恵養老体験センターは、先月の1日から一般開放されている。約30平方メートルの狭い空間には、台所、寝室、浴室などの高齢者向けの内装が展示されていて、設計はすべて石庫門の狭い空間を基本としている。

 体験センターの浴室には様々な据え置式手すりが設置されているし、天井には赤外線センサーが据えられている。センターの改修プロジェクトを担当した周国栄は、「センターはお年寄りが浴室内にいる時間を観察し、予定の時間を超えたら警報が鳴ります」と説明してくれた。

 今年7月には高齢者のニーズに応えるため、上海市高齢者住宅改修プラットフォームも設立された。このプラットフォームは基礎商品、住宅の部分改修と全体改修の三つのサービスを提供するもので、高齢者は自由に改修プランを組み合わせることができる。上海市民政局のデータによると、8月31日までに全市の85の家が、高齢者住宅改修の申請を出した。



 関係者によると、今回の実験的導入では、上海市民政局が基礎製品のサービスを選択した高齢者に対して、それぞれの補助金を支給するという。具体的には、最低生活保障家庭の高齢者、低収入家庭の高齢者、満80歳で本人の給付金が前年度の市平均給付金を下回る高齢者に、それぞれ改修金額の100%、80%、50%の補助金を支給する。

 政府の補助金や国有企業の後押し……。なぜここまで多くの精力を費やして高齢者住宅改修に力を注ぐのか。上海市民政局養老サービス部の袁楠は、「これはより多くの高齢者が、より質の高い老後生活を送れるようにするためです」と述べた。

 高齢者住宅改修プロジェクトでは、高齢者が生活の中で危険にさらされる可能性をできるだけ最低限度に抑えるよう考慮されている。例えば万一事故が発生した場合には、室内のあちこちに設置されている各種のセンサーがすぐに危険警報を老人の家族や提携した第三者の養老サービス機関に送り、最悪な状況を回避するようになっている。

(実習編集:范応良)