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富士フイルムが生産を全面再開 今年もこれまで以上の成長を目指す

2020年 3月 27日17:16 提供:東方網 編集者:王笑陽

 中国における新型コロナウイルス対策の支援として、総額700万人民元相当(約1.1億円)の医療機器と物資を、湖北省を始めとした各地に寄付した富士フイルムホールディングス株式会社が、現在中国での操業·生産を全面的に再開した。

 同社は、新型コロナウイルス感染の進展状況、そして部品調達から顧客配送までのサプライチェーンの状況を把握しながら、中国とほかの地域にある工場の生産量を柔軟にアロケーションして、新型コロナの影響をこれまで最小限に抑えてきた。中国工場の中で2月10日に最初に稼働を再開したのは、instaxとデジタルカメラを生産する蘇州富士膠片映像機器有限公司の工場で、その他の工場も2月17日までには順次再開を実現した。

 また、中国地域本社の富士フイルム(中国)投資有限公司(以下:富士フイルム(中国))及び各地の支社では、一部の従業員が在宅勤務が可能なフレックスタイム制を2月初旬から実施。3月16日から全面的に営業を再開したあとも、柔軟な勤務制度を継続するとともに、従業員の健康を確保するために、体温測定、マスク着用、手洗いなどを義務付けたり、ハンドソープや消毒液、マスクなどを配布したりする感染対策を行っている。

 ヘルスケアは富士フイルムの重点事業領域のひとつであるため、中国での新型コロナウイルスの感染拡大をうけて、同社の医療関連の営業·アフターサービス·コールセンターなどの部署の従業員は休みを取らずにずっと働いてきた。中でも富士フイルム医療技術サービスセンターは、富士フイルムメディカル事業部の外部窓口として客のあらゆるニーズを受け止めて伝える役割を担っているため、春節期間中でも8名のコールセンターメンバーがシフト制で24時間対応した。さらに病院からの電話を一本も逃さないよう電話機の増設も行った。

防疫を支援する富士フイルムの従業員

 他にも機器の設置やメンテナンスを担当する現場エンジニアもいつでも対応できるよう待機した。彼らは遼寧省、河北省、河南省、天津市、甘粛省、黒龍江省などの病院に駆けつけて防疫支援を行った。一部のエンジニアは、各地の公共旅客輸送が中止される中、病院が治療のために一刻も早く機器を使用できるよう、自ら車を運転して直接に病院に向かった。最長では9時間も運転した人がいるとのことだ。富士医療技術サービス(上海)有限公司現場駐在サービス科の梁さんは、妻が出産したばかりだが、育休をあきらめて第一線の仕事に就くことを自ら申し出た。「家族はもちろん心配しているが、理解してくれると思う」と語る。過去にSARSを経験したこともある梁さんは、緊急時に迅速な対応ができることから、今回は湖南省·湖北省·重慶市の境にある最大の県レベルの総合病院である龍山県人民病院で、全ての医療設備のメンテナンスを行うという重責を担っている。

 また、貿易通関部門や物流部門の従業員も残業をして、非常時の物資調達のために各機関との調整を進めてきた。

梁さんと彼が率いる龍山サポートチーム

 写真フィルムを祖業に起業した富士フイルムは、現在事業分野をイメージング、ヘルスケア·高性能材料、ドキュメントソリューションへと拡げている。今後は「ヘルスケア」と「高性能材料」の2つの分野に重点を置いて事業を展開していくという。

 富士フイルム(中国)の武冨博信総裁によると、同社は2012年から2019年の8年で、売上高と営業利益の穏やかな増加傾向を示し、年平均成長率は約7%に達しているとのことだ。そして今年も新型コロナの影響はあるが、中国市場に向けた新製品の開発や、新しい組織とプロセスを作ることで、経営の効率化·可視化、新規市場·顧客の開拓などの措置を通じ、これまで以上の成長を目指すと今後の抱負を述べた。