上海市外国投資促進中心、JETRO上海代表処、上海日本商工クラブ、金山区投資促進弁公室などの共催により、上海の日系企業に向けた「新型コロナウイルス対応セミナー：上海市のサービス及び政策説明会」が２４日、オンラインで行われました。

　説明会では各領域の専門家から、新型コロナウイルスの流行をうけて国や上海市が打ち出した企業への支援策が紹介されました。その一部を以下のようにまとめました。

　１、社会保険関連政策

　発表者：上海市人力資源和社会保障局社会保険基金監督処副処長許大志

　主な内容：

　上海市は、国の政策の範囲内で最大限段階的に企業の養老保険、失業保険、労災保険（以下：３項目社会保険）の会社納付金を減免する。

　１）国の企業社会保険料の段階的減免政策を徹底する

　　·中小企業や個人事業者に対し、今年２月から６月までの、３項目社会保険の会社納付金を免除する

　　·大手企業、または民間非企業組織、社会団体など各種の社会組織に対し、今年２月から４月までの、３項目の社会保険の会社納付金を半減する

　２）失業保険と労災保険料率を、引き続き段階的に引き下げる

　以下の措置の実施期限を、２０２１年４月３０日まで延長する

　　·１％の失業保険納付比率を執行する

　　·１類～８類の業種の労災保険基準費率を、国の基準の上にさらに２０％引き下げる

　３）上海市が公表した企業への支援策「２８箇条」の中の社会保険減免措置を、全面的に実行する

　　·社会保険納付ベースの調整を遅らせる

　　·社会保険納付期限の延期を可能にする。（ホットライン１２３３３または「上海社会保険」のウィチャット公式アカウントで事前申込が必要）

　４）企業の利便性を図るために社会保険に関するサービスを向上させる

　
　２、税金優遇策

　発表者：上海デロイト税務師事務所有限公司シニアコンサルタント朱雷

　主な内容：

　１）救護者支援

　　·防疫活動に参加した医療関係者や防疫関係者などが、政府所定基準により取得した臨時活動手当と賞金に対する個人所得税を免除する。

　　·勤務先が個人に支給した新型コロナウイルス肺炎感染予防用の薬品、医療用品や防護用品などの実物（現金を含まない）は、給料と賞与の収入に算入せず、個人所得税を免除する。

　２）物資供給者支援

　　·防疫重点保障物資の生産企業に対し、増値税の増加分の未控除税額を全額還付する

　　·防疫重点保障物資の生産企業が生産能力拡大のために設備を購入した場合、企業所得税の税引き前の一回性の控除を許可する

　　·納税者が防疫重点保障物資の運送サービスを提供したことによる収入は、増値税を免除する

　　·納税者が公共交通運送サービス、生活サービス、住民の必需生活物資の速達収集·配達サービスを提供したことによる収入は、増値税を免除する

　　·衛生健康主管部門が手配·輸入し、直接防疫に用いた物資は関税を免除する

　３）公益寄贈の奨励

　　·公益性社会組織または県級以上の人民政府およびその部門などが、国家機関を通じて防疫用の現金と物品を寄贈した場合、企業所得税または個人所得税の税引き前の全額控除を許可する

　　·直接防疫任務を担当する病院に防疫用物品を寄贈した場合、企業所得税または個人所得税の税引き前全額控除を許可する

　　·無償寄贈の防疫用の物資は、増値税、消費税、都市保守建設税、教育費付加、地方教育付加を免除する

　　·寄贈免税輸入物資の範囲を拡大する

　４）操業再開支援

　　·疫病の影響の大きい困難業種企業の２０２０年度の赤字最長繰越年限を８年に延長する

　　·小規模納税者の増値税を段階的に減免する

　　·企業の養老、失業、労災保険の会社納付金を段階的に減免する

　　·勤務先方式による保険加入の個人事業者の社員養老、失業、労災保険を段階的に減免する

　　·社員基本医療保険の会社納付金を段階的に低減する

　　·各地方政府が都市土地使用税減免などを通じて、賃貸人による個人事業者の賃料減免を支援することを奨励する

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