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趙孟頫の書道作品が2.67億元で落札

2019年 11月 20日16:32 提供:東方網 編集者:王笑陽

 古代中国の書道家である趙孟頫(ちょうもうふ、日本語では趙孟フとも表記)の作品「致郭右之二帖巻」が、昨日19日、2.67億元(約41.2億円)の価格で北京で落札された。

趙孟頫筆「致郭右之二帖巻」

 南宋から元にかけて活躍した趙孟頫は宋の皇族の末裔であり、26歳で故国滅亡の憂き目に遭った。著名な書道家、画家、詩人として知られる。書においては、王羲之(おうぎし)、王献之(おうけんし)らの伝統的な書法を研究して独自の「趙体」という書風を生み出し、欧陽詢、顔真卿、柳公権と共に「楷書の四大家」と並び称される。その書道作品の「楷書帝師胆巴碑巻」や「行書洛神賦巻」などは一級文物に認定され、北京故宮博物館に所蔵されている。作品の「蘭亭十三跋」と「楷書玄妙観重脩三門記巻」は、現在、東京国立博物館に所蔵されている。

 中国新聞網によると、今回、記録的な高値で落札されたのは、趙孟頫から収蔵家の郭天錫への手紙2本を含む「致郭右之二帖巻」という作品である。オークション開始時の価格は8800万元。2.32億元で落札されるまでは1時間以上もかかった。15%の手数料を入れると、最終的な取引価格は2.67億元に達するという。

 郭天錫という人に関しての歴史資料はないが、現在の江蘇省·浙江省一帯で活躍した収蔵家であると推察されている。趙孟頫筆の2本の手紙から、二人は書画作品について交流があったことがわかっている。また、趙は当時の自分の生活状況を手紙に書き、母国を滅ぼした元の皇帝に招聘されてにっちもさっちもいかない状況に陥った孤独の心境を吐露している。この作品は近代になって一度日本に流出し、山本悌二郎、赤羽雲庭に収蔵されたことがあるといわれている。

(編集:W)