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世界トップの脳外科医、「神の手」の福島医師に上海白玉蘭記念賞 医学で上海と縁を結ぶ 

2019年 10月 12日15:46 提供:東方網 編集者:範易成

  開頭して神経を分離し、スペーサーを挿入……。9月12日の正午ごろ、福島孝徳教授と上海浦南病院の劉衛東院長は、協力して約1時間の三叉神経血管減圧手術を無事終了させた。今回の術式は福島教授が開発した「福島式鍵穴手術」で、頭部に10セント硬貨ほどの小さな穴をあけ、顕微鏡を使って患部を切除·縫合する。患者の予後を一番と考え、開発したものである。この技術は通常の開頭手術に比して患者の負担を大幅に軽減することで、世界中の患者から絶大な支持を受けている。

福島孝徳医師(右一)

  手術当日の午後、福島孝徳医師はある授賞式に参加する予定だった。それは2019年の上海市白玉蘭記念賞の受賞式だ。白玉蘭賞は、上海市の経済建設や社会発展、対外交流において大きな貢献をした外国人に対して、上海市政府が与える賞である。

  午前中に手術、午後に授賞式。このような忙しいスケジュールは、福島医師にとっては医师になった時から数十年来の「日常」にすぎない。

  福島医師は1942年、東京都生まれ。現在、カロライナ脳神経研究所、デューク大学、ウエスト·ヴァージニア大学の教授を務め、脳神経外科顕微鏡手術の「最高の権威」と評されている。スウェーデンのカロリンスカ研究所、フランス·マルセイユ大学の教授、イタリア·ローマ大学、ドイツ·フランクフルト大学の客員教授も兼任しており、医療関係者から「神の手を持つ男」「The Last Hope」と賞賛されている。

  福島医師は2011年に上海浦南病院に研修拠点を設立し、毎年上海に赴いて手術技術の研修会を開催している。そして2015年には、自身を含む「世界トップドクターグループ」が上海に進出。この組織には、アメリカ、フランス、ドイツ、スウェーデン、ノルウェー、日本、中国など8カ国から、脳神経外科、乳腺外科、口腔科、放射線治療などの複数の科の医者が参加して、上海浦南病院で難しい手術の指導を行って国内外の患者の診察にも立ち会っている。

  福島医師は当初、手術を終えて昼食を食べてから東方網のインタビューを受ける予定だった。しかし精力的な彼は、緊張に満ちた手術を終えたばかりですぐに病院の廊下に立ち、記者の取材に応じてくれた。その姿からは、今年でもう77歳になるとはまったく想像できない。

中国のチームと協力して手術をする福島医師

  上海と縁を結び 医者を育てる

  福島医師と上海の縁は、浦南病院の劉衛東院長との友情から始まったものだ。意気投合した二人はすぐに親友になり、その友情は今も続いている。劉衛東医師の影響で、福島医師は上海に特別な思いを抱いている。

  劉院長の要請を受けて、2011年に福島医師は上海浦南病院に研修拠点を設立。年に1~2回上海に来て手術の研修を行い、これまで上海及び中国各地の神経外科医等、1000名が研修に参加した。 福島医師は自ら世界で最先端の神経外科分野の技術を伝えるだけでなく、中国医学界全体の学術的水準の向上も重視していて、アメリカ、日本、ドイツ、イタリア、デンマークなどの各国の有名な脳外科専門家に呼びかけて、上海で交流会も開催している。

  これらの努力が実り、2015年、福島医師をはじめとする「世界トップドクターグループ」が上海に進出を果たした。中国各地の都市を訪ねた経験を持つ福島医師から見て、上海の医療水準はとても高い。それぞれの病院には世界の先端設備が備えてあり、病院管理や医療従事者のサービスも世界一流である。「だから上海を選んだのです。世界トップドクターグループは10年間で優秀な中国の神経外科医を300人以上、養成して欲しいと思います」と述べた。

  中国の医療発展を促進 より多くの患者を救う

  上海で研修や講義、手術をした経験から、福島医師は上海の神経外科医は高い技術を持っており、医師の診断能力と手術技術は世界トップのレベルだと評価している。医療機関の総合力も高く、医療分野の発展が迅速で、各病院はそれぞれの得意部門がある。福島医師は「少なくとも85歳まで手術して、毎年上海に来ます」と語った。

  どのように活力を維持するのかという質問に対しては、「仕事が私の健康秘诀です」と語った。医者になってからの50数年間で、福島医師は毎年600人以上の手術を行い、個人の手術件数は2万4千件を超えた。今年で77歳になるが、まだまだ医療の第一線で活躍している。

  外科医は常に大きなストレスに直面している職業だ。ストレス解消のため、福島医師はスキーとジャズをやる。これは彼の最大の趣味だ。高校時代にはジャズバンドを結成したことがあり、医者になってからもバンドを作って、上海で演奏会を催したこともある。「手術はリスクが高くて医師としてのストレスが大きい。ジャズを聴くと気持ちが楽になり、疲労が軽減されます」と言う。


  今回の授賞について福島医師は、「私は上海浦南病院と12年間協力してきました。劉衛東院長とも深い友情を結びました。この賞をいただきまして、本当にありがとうございます。今後も中国と医療分野で協力して、より多くの患者さんを助けたいと思います」と話した。 

授賞式の様子

(作者:范易成)